柔軟性と丈夫さを追求したバスクシャツ、フィールズダルボーの服づくり

 

柔らかさ、着心地と耐久性。

どこか相反するような要素を、歴史が育んだ技術でもって

結実させているFileuse d'Arvor(フィールズダルボー)の服づくり。

私達が知る「バスクシャツ」の概念が、少し変わるかもしれません。

 

ボーダーカットソー BREST ECRU/MARINE

 

 

 

Fileuse d'Arvor(フィールズダルボー)は1927年に

フランス北西ブルターニュ地方の港町、カンペールで創業しました。

ブルターニュ地方はイギリスにも近く、フランスとイギリスの狭間で

文化が交じり合う地域。フランスでありながらケルト文化も色濃く残る、

とても興味深い歴史を持っています。

海に面した場所ということもあり、Fileuse d'Arvor(フィールズダルボー)は

創業当時より幅広くマリンウエアを中心としたニット製品を手掛けてきました。

 

「糸を紡ぐ人」という意味の'Fileuse'がブランド名に入っている

ことからも、この地方には独特の手紡ぎの文化が

根ざしていたことがわかります。

カンペールでは漁業に従事する夫の帰りを待ちながら、

残された女性達は彼らが着用するニットセーターを

編み立てるというのが一般的な家庭の一つの姿でした。

Fileuse d'Arvor(フィールズダルボー)のブランドロゴに

記されたイラストはこのライフスタイルを表したものなのだとか。

 

海辺で夫を待つ夫人が持つ物はフランス伝統の

糸巻き機であり、傍らにたたずむ羊の毛を刈り取り、

その毛を紡いでいるシーンを描いたもの。

 

いちメーカーだけでなく、地域や暮らしが育んだ繊維産業の

技術であるということが、説得力を感じさせてくれます。

Fileuse d'Arvor(フィールズダルボー)は

ブルターニュ地区最古のマリンセーターのサプライヤーとして今なお活動を続けています。 

 

 

 

Fileuse d'Arvor(フィールズダルボー)では

名だたるブランドも使用する定番の素材、

イタリアのOLYMPIAS社のコットンを使用しています。

編み機は時代と共にアップデートされていますが、

創業当時と変わらない風合いを求め、

熟練の職人たちがチューニングを施しながら当時のものづくりを再現しています。

 

 

糸を多く使用し、ヴィンテージリブと呼ばれる独自の編み上げを

行うFileuse d'Arvor(フィールズダルボー)。

目が細かく、独特な柔軟性を持ちます。

しっかりとした丈夫さはあるけれど、決して硬くない、ごわつかない。

着始めから体に馴染む感覚は嬉しいものです。

ボーダーカットソー BREST MERANGE MID GRAY/ECRU

ブランドとしては伸びるでもなく、縮むでもない、「動く」

という概念で着心地を捉えていて、ヴィンテージリブは

着込むことで縦、横に伸縮を繰り返し、

洗うたびに自分の体にフィットするようになっていきます。

 

この工程をフランスでは「動く」と表現し、伸びるでもなく、

縮むのとも違う、着こんでいくことで自分の体の凹凸を反映し、

自分だけの一枚に育っていくその独特の感覚を提供しています。

柔らかく体にフィットするという意味では、ジャケットを着た時に

ごわつきにくく、肘を曲げた時に突っ張りにくい点も

おすすめしたい理由です。

 

また、編み目が細かいということは、それだけ無理して生地が

動かないので「型崩れしにくい」ということにもつながります。

洗濯しても目が詰まって硬くなることはなく、

柔らかく着心地の良いこと、そして洋服としての美しさや機能を

損なわないための配慮を欠かさず、成長してきたブランドなのです。 

 

カットソー BREST MERANGE MID GRAY

バッグ:Daniel&Bob/レザートートバッグ THELMA

ストール:INOUITOOSH/ストール KISU

 

 

カットソー BREST MERANGE MID GRAY

Fileuse d'Arvor(フィールズダルボー)のバスクシャツの

特徴は「長く愛用すること」「着やすいこと」を考えている点。

肩部分を見ると、伸び止めとして二重仕立てが施されているのが分かります。

これは、無理なく肩を回し動きやすさを確保する、という点でも

優れている特徴と言えそうですね。

他メーカーでは再現出来ない普遍的な縫製仕様で、

フランスで商標登録されているというから驚きです。

 

半袖カットソー TRISTAN

また、こちらの半袖カットソーには違う工夫が。

このカットソーは創業者が漁師に頼まれて作った

船上で着るセーターがベースになっています。

耐久性を高くし動きやすくするために、

首元はやや太めのボートネックになり、

負担がかかり易いショルダー部分は、前身頃を肩の後ろ側まで

持って行き縫製することで最も負担がかかる部分と

縫製部分をずらしているのです。

耐久性が高いゆえ、創業当時からほぼ変わっていない作りなのだとか。

 

 

下の画像は、1960年代前半に作られ使用されてきた

Fileuse d’Arvor(フィールズダルボー)のバスクシャツです。

 

ボーダーカットソー BREST ECRU/MARINE

左:60年前のバスクシャツ / 右:新品

60年前のバスクシャツ

 

首回りの縫製は糸がほつれてきているものの、

編み自体は非常にしっかりしていて、型崩れもありません。

目が細かくぎゅっと凝縮されているのは昔から変わらないのですね。

肩部分を二重仕立てにしている点も、当時からのブランドの誇りです。

 

新品と比較すると、着脱と洗濯を繰り返してきたため

柔らかさが増し、生地に風合いが出ているのが分かります。

首元のタグや腕についたブランドの証のデザインに

歴史の変化を感じつつ、洋服としてのこだわりは変わらずに

脈々と受け継がれてきたことを実感します。 

 

 

 

カットソー BREST BLACK

正面から見て右下の裾にはワッペンが付いており、これはユニフォームとして

支給していたフランス海軍の空母、JEANNE D'ARK(ジャンヌダルク)の旗章であり、

オフィシャルサプライヤーのみに付けることを許されたものです。 

 

Fileuse d’Arvor(フィールズダルボー)がフランス軍のユニフォームを

手掛けるようになったのは、ブランド独自の肩部分の補強された縫製仕様など、

ワークウエアとしてもディテールが評価されていた点と、

かつ100%フランスでの生産がされていた点が理由であったと言います。

当時は国営団体のユニフォームの生産はフランス企業に委ねられる事になっており、

技術と拠点へのこだわりが認められた形でした。

 

空母JEANNE D'ARKの退役に伴い、現在はフランス軍関連の

業務からは手を引いていますが、

カットソーに縫い付けられた旗章はその功績を物語っています。 

 

 

暖かくなってくる4月後半、春物コートは脱いで

コットンカットソー一枚でも出かけられるようになります。 

長袖、半袖、そしてハーフパンツまで、

Fileuse d’Arvor(フィールズダルボー)のアイテムを見ていきます。

 

ボーダーカットソー BREST ECRU/MARINE

まずはフランスらしく、マリンルックに挑戦してみるのも

良いですね。白ベースのカットソーにネイビーのボーダー、

という定番も肩から二の腕にかけてはボーダー柄がない

「肩抜き」デザインなので、すっきりと見えます。

 

バッグ:Mimi/SIBELL tomato

サボ:dansko/Professional プロフェッショナル Black Oiled

 

上画像で着用しているハーフパンツも、

Fileuse d’Arvor(フィールズダルボー)のもの。

ハーフパンツ BLACK

ハーフパンツでもニット(編み)なので、大人の上品な印象を損ないません。

バスクシャツと合わせるとカジュアルな統一感も出ますし、

白シャツやヒールサンダルなど綺麗めなアイテムにもよく合います。 

ハーフパンツは、カーキもご用意しています。

ハーフパンツ RESSAC KHAKI

バッグ:ROBERTO PANCANI/【別注】ラタン×レザー バッグ (S) BEIGE

 

カットソー BREST BLACK

無地のバスクシャツは一枚あるととっても重宝します。

流行にとらわれず長く着ることが出来、定番の1着になりそうです。

ワイドシルエットのボトムスや、色の鮮やかな小物などを合わせても

決して浮くことなく、すんなりと馴染んでくれます。

 

パンツ:FACTORY/ペルー綿 ピンストライプ サルエルパンツ

サボ:dansko/Professional プロフェッショナル Black Oiled

帽子:DAY STROWS/麦わらフレンチ カサブランカ

 

半袖ボーダーカットソー LAMANEUR

半袖だと一気に涼しげ&すっきりとしたマリンスタイルに。

バスクシャツは定番の型・デザインなので小物で

遊ぶようにコーディネートするのがおすすめです。

 

ストール:INOUITOOSH/ストール MR HULOT

腕時計:ROSENDAHL/ARNE JACOBSEN Watch CITY HALL

シューズ:chausser/plus by chausser レースアップシューズ BR

 

半袖カットソー TRISTAN

Tシャツ感覚で気軽に着られるけれども、Tシャツほどカジュアル

ではないので、程よい上品さを残します。

半袖の無地はホワイト・ネイビーの2色展開。

 

パンツ:fog linenwork/【別注】リネンワイドパンツ

バッグ:PATRICK STEPHAN/【別注】3way レザーポシェト'enveloppe' GREY

サンダル:SUICOKE/SUICOKE スポーツサンダル GRAY

 

 

【 お洗濯について 】

ワークウェアとして丈夫な点が評価されていることもあり

お洗濯でもさほど気を使わずに、どんどん着て洗濯機で洗って問題ありません。

縮みや型崩れの観点から、乾燥機のご使用は避けてください。

 

 

▼Fileuse d'Arvor(フィールズダルボー)ブランドページはこちら

Fileuse d'Arvor(フィールズダルボー)

投稿者: 丸山 日時: 2017年04月25日 11:00 | permalink

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