天然素材と付き合う。かごバッグを育てる

 

世界で広く作られてきた民芸品のひとつにかごがあります。

天然の植物だけで作られるかごは、高い耐久性、

軽量であること、用途によって形を変えられる柔軟性といった利点を持っていたため、

荷物を運ぶ道具として親しまれてきました。

かごバッグはかごという道具の趣を残しながら、

ファッションアイテムのひとつとして洗練された存在。

今回はそんな天然素材で作られたかごバッグとの付き合い方をご紹介します。


 

かごバッグに使われる植物は様々。

まずはその素材の特性を見ていきましょう。
 

■水草

 

水辺に生息する水草はまっすぐ上に向かって

成長していき、茎が丈夫に育つ性質があります。

 

 

CANDRIA TOMMASO(カンドリア・トマソ)の

葦ハンドバッグ レザーハンドルは

イネ科の植物である葦(アシ)と牛革を組み合わせた

素材使いが特徴的なかごバッグ。

葦はまっすぐ上に成長するとともに、

そのものが硬くなっていくため丈夫で軽い素材として

スダレなどにも用いられてきました。

 

 

 

CANDRIA TOMMASO(カンドリア・トマソ)では

この葦と牛革を木型を使って成型することで筒型にし、

開口部にはマグネットを、内側には布張りをすることで

十分な機能性を持つとともに上品な仕上がりになっています。

葦をまるで縄のように編み込んでいくことで

荷物に持ち堪える耐久性を増しています。

 

 

かわって、こちらはガーナで作られている

MUUN(ムーニュ)のバスケット。

素材に選ばれているのはエレファントグラスと呼ばれる

こちらも水草の一種です。

エレファントグラスはアフリカの熱帯で

高さ5メートル以上にも成長する植物で

その茎は非常に丈夫なことで知られています。

 

 

 

アフリカでは古くから繊細な模様編みの技術が

発達しており、MUUN(ムーニュ)のバスケットが作られている

小さな村ニャリガでもその技術が受け継がれています。

エレファントグラスは水草の中でもさらに復元性があり、

一度変形してもまた自然に戻るという特徴を持っています。
 

 

■つる性の植物

 

巻き付くように成長していくつる性の植物も

かごバッグに多く使われてきた素材。

特に東南アジアのように暖かい気候で育つラタンや

日本でも山々で育つあけびといった素材が当てはまります。

 

 

青森県弘前市で大正時代から手作業で

かごを作り続けている、宮本工芸。

農閑期にかご等の手編みで行なう民芸品が

多く作られていたこともあり、機械では作ることの出来ない

味わい深いかごバッグに仕上がっています。

 

 

あけびの場合、もともと太さ・弾力性があるため

非常に丈夫なかごが生まれることで知られています。

さらにあけびを裁断すると分かる通り、素材自体が丸みを帯びているため

表面にささくれが起きにくく、バッグの中身を傷つけにくいという

良さがあるのも特徴です。

 

■ヤシ科の植物

 

熱帯地域に多いヤシ科の植物もまた、

かごバッグの原料として好まれています。

インド洋に浮かぶマダガスカル島を原産とするラフィア椰子は

高い柔軟性により、細やかな加工が可能で

編み上げた際の見た目の美しさがあります。

 

 

 

Sans Arcidet(サン・アルシデ)はこうしたラフィアの

特性を活かしたバッグブランド。

マダガスカルの西海岸エリアにある、Majunga地方の自然公園に生息する

ラフィアヤシの葉から採れる最高品質の原料を使い、

約450人もの職人がひとつひとつを手で編み上げています。

丸型・スクエアなど、特徴的な形にレザーといった素材や

カラフルな染色を施したかごバッグは唯一無二の存在感を放っています。

 

 

 

クロッシェ編みの細やかな表現が光る、

HELEN KAMINSKI(ヘレンカミンスキー)のCarillo Naturalも

ラフィアをひとつひとつ手で編み込んで作られたもの。

ショルダータイプなので、しなやかに体に馴染み、

荷物の量に応じて、形を変化させるラフィアならではの

特徴がよく分かるバッグになっています。



 

天然素材であることに加え、さらに手編みのバッグの場合、

念頭に置いておきたいポイントがあります。

 

■裁断処理と緩み

かごバッグは、原料を適切な長さに裁断し編み上げています。

そのため裁断処理がの部分が表に現れていたり、

素材自体から小さなささくれが見える場合があります。

 

△裁断処理の例

こうした部分が表面に現れていても、そこからほつれてしまう心配は少ないですが、

使い始めの当初は衣服や布、アクセサリーなどにひっかけないようご注意ください。

内袋が付属していたり、内側が布張りになっているバッグは

ひっかけを防ぐ目的があります。

付属していなくても、布で作られた巾着などを中に入れてお使い頂くのもおすすめです。

こうした裁断処理の部分やささくれは、使っていくうちに徐々に先が丸くなっていきます。

 

△手編みにより接合している例

宮本工芸のあけびのかごは、全体が手編みで作られており、

持ち手と本体を繋ぐ部分も、全てあけびで作られています。

天然素材の特性上、使用していくうちにやむを得ず

接合部分が緩んでしまう場合がまれにありますが、その場合はお直しが可能です。

ご希望の場合はカスタマーサポートまでお問い合わせください。

ZUTTOカスタマーサポート:support@zutto.co.jp(平日10:00-16:00)

 

■普段のお手入れ

 

普段のお手入れとしておすすめしたいのが、「拭く」こと。

まるで磨き上げるように、柔らかい布で表面を拭いていきます。

細かな編み込みが施されたかごバッグは、編み込みの内側に汚れが

溜まりやすくなっているので、重点的に拭いていきます。

あけびのような素材自体が太さのあるものの場合、

洋服ブラシなどでブラッシングしても良いでしょう。

ブラシも天然の動物の毛を使ったものを選ぶと、

かごバッグの艶が増す効果があります。

 

 

■保管の仕方

 

かごバッグにとって、大敵となるのが湿気。

天然素材であることから、水に濡れることで、カビや虫の発生、

さらに編み込みの緩みに繋がる可能性があります。

そのため雨の日は使わない、水に濡れた場所には置かないことはもちろん、

保管の仕方にもお気をつけください。

かごバッグを保管する場合、日陰の風通しの良い場所を選びます。

そのままの状態ですと湿気を吸い込みやすい状態ですので、

布をかぶせておく、不織布をお持ちの場合はかごをまるごと包んでおくことをおすすめします。

 

 

 

かごバッグの扱い方についてご紹介してきましたが、

天然素材のかごバッグを育てるにあたって、最適な方法は何といっても使うこと。

手に触れることでささくれがなくなり、

油分により徐々に色が濃くなり、

空気にあたることでホコリを被ることもない。

そんな状態がかごバッグにとって最適なのです。

もちろん、毎日使うことは難しい場合は

目に付く場所へ保管して、時々手で触れてみてください。

天然素材の良さは使っていく時間とともに、実感して頂けるはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

投稿者: 植田 日時: 2017年05月20日 17:00 | permalink

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