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食の季節に。美味しい「だし」を楽しむ道具たち

 


深みのある味を作り出す、出汁(だし)。

その語源は、食材を煮る事で抽出される「うまみ」が凝縮された

汁の事を「煮出し汁(にだしじる)」と呼んだことから始まるのだそう。

「煮出し汁」が簡略化され、煮出(にだし)と呼ばれ

それがさらに略され、出汁(だし)と呼ばれるようになったと言われています。

和食に登場する出汁といえば、

鰹(かつお)や煮干し、昆布から抽出したものがポピュラーですね。

鰹だしのように動物由来があれば、昆布、椎茸のような植物性の食材を使用したものも。

いずれも、うまみ成分である「アミノ酸」を豊富に含み、

口に含んだ時に「美味しい」と人が感じる食材ばかり。

動物由来のだしは、お料理に深みを出し、味にしっかりとした輪郭を持たせ、

一方の植物由来のものはあっさりとした風味ながら、優しくどこかほっとする味わいに仕上がります。

また、東と西でもだしの主流が異なるのが面白いポイント。

関東は鰹だし、関西は昆布だしというのが古くからの主流なのですが、

これは水の質による違い。関西は軟水のため、昆布出汁との相性が良いのですが、

関東は硬水のため鰹だしが主流となっているようです。

現在は手軽な顆粒だしが市販されているので

こうした差異は感じにくくなっていますが、食材によって東西で文化が異なっているのは興味深いですね。

 

 

 

 

基本的な、鰹節と昆布からだしをとる際に

知っておきたいのが、一番だしと二番だしの使い分け。

「一番だし」はその名の通り、上澄みの澄み切った部分を集約しているため

雑味がなく、澄み切った風味を楽しむことが出来ます。

一番だしが「お吸い物」に使われるのも納得ですね。

一番だしを取る際に使った昆布でもう一度出汁を取り、

そこに鰹節を追加して作るのが「二番だし」。

しっかりとした味・香りが特徴で、お味噌汁や煮物のように

様々な和食のお料理に活用します。

 

 


 

だしの成り立ちや使い分けが分かったところで、

様々に「だし」の旨味を楽しむことが出来る道具を見ていきましょう。

一言でだしと言っても、その活かし方は様々。

お料理の種類の分だけ、そのための道具があるといっても過言ではありません。

 

 

【本格的なかつおだしを楽しむなら…鰹節削り】

本格的に、鰹節を削って香り高い風味を楽しむのなら、

台所に欠かせないのが鰹節削り器。

鰹節の醍醐味といえば、その風味とふわふわの食感です。

削る前の鰹節自体はとても酸化しにくい食品なのですが、

削り節の方は削りたてから30分で酸化が始まるとも言われており、

酸化した鰹節は色がくすみ、香りもどんどん薄まってしまいます。

家庭に鰹節削りがあれば、使いたい時に少量削ってそのままさっと使うことが出来るので、

豊かな風味とふわふわの食感を味わうことが出来ます。

炊きたてのホカホカご飯に鰹節+お醤油というシンプルな味付けで朝ごはんに。

ホウレンソウのおひたしの上にパラパラと乗せて、副菜の風味づけに。

台所の手に届くところに鰹節削りがあると、朝ごはんにも、夕ご飯にも、

さっと削ってお料理のお供に使いたくなるから不思議です。


【ふわふわの出汁巻き玉子を味わう…玉子焼き器】

 

おだしの風味を効かせた定番の家庭料理といえば、玉子焼き。

東京下町の職人が作る、中村銅器の銅製玉子焼き鍋は

プロがこぞって愛用する逸品で、熱を均一に伝える銅が

卵焼きをふっくらと美味しく仕上げます。 

素材は、剥げやすい錫メッキではなく、銅に熟練した職人技で、錫を焼き付けています。

そのため油が馴染みやすいのが特徴で、

使用すればするほど鍋の状態が良くなり、程度のよい使い勝手になります。

 鍋を温め油を引いて、卵液を入れた瞬間、

ジュッと美味しそうな音を立てて卵に火が通っていく時間はなんとも贅沢なものです。


【だしを楽しむ鍋料理や、炊き込み御飯には…土鍋】

 

秋から冬にかけては、きのこや山菜など、

様々な季節の味覚を盛り込んだ大鍋料理が食べたくなります。

こちらの伊賀土 丸土鍋 四人用は、定番の鍋料理だけでなく、

肉や魚の煮込み料理にぴったり。

4人用のたっぷりとした容量なので、家族やご友人、

みんなで囲みたい料理におすすめです。

たとえば炊き込み御飯を作る時も、

炊飯器で炊き込んでももちろん美味しいのですが、

土鍋を使って直火で炊き上げれば

より風味豊かに、ふっくらとした炊き込み御飯が出来上がりますよ。

おだしを効かせた鍋料理に、煮込みに、炊き込み御飯にと

様々な用途で活躍してくれそうです。

 

 

大判の土鍋よりも、もっと身近に、カジュアルに煮込み料理を楽しみたいという時は

伊賀耐熱スープポットもおすすめです。

焼き物の産地、三重県の伊賀で製造された可愛らしいお鍋。

伊賀の地層である古琵琶湖層から採れる陶土は非常に耐火度が高く、耐熱陶器に見合う土として知られてきました。

蓄熱・保温に大変優れていること、そしてざらりとした手触りが特徴です。

伊賀土には遠赤外線効果があるため、食材の旨味を引き出し、

料理をまろやかに仕立てると言われています。 

和風ポトフや、豆乳鍋風のスープなど

おだしを効かせた、和洋折中レシピのバリエーションが広がりそうですね。

 

 

 

和の道具と一緒に愛用したいのが、和の食器です。

シンプルな和食にさりげない彩りを添えて、

食卓を端正に演出してくれる器を揃えて、秋の食卓を楽しんでみましょう。


【今こそ使いたい、漆椀】

 

お吸い物にお味噌汁、ちょっとした汁物を銘々に分ける時

日本の食卓に欠かせないのが木のお椀ですね。

たとえば割烹やお鮨屋さんで

お椀のふたをそっと開ける時に感じる香り高い湯気。

あの湯気は何とも贅沢なものですよね。

汁物というのは、至極シンプルでありながら、

良い香りと風味、そして目で楽しむことの出来る和の定番でもあります。

もちろん、家庭の食卓に料理を並べる時は

肩肘張らずにささっとお料理を盛り付る良さもありますが、

日常的に使うお椀こそ、長く使える漆椀がおすすめです。

漆というと、赤や黒の色でツヤツヤと全体を塗られたお椀を連想しがちですが、

写真のような「ふき漆」なら、普段の食卓にもしっくりと馴染み、悪目立ちしません。

家族みんなの分を揃えておけば、お味噌汁はもちろん、夜食の出汁茶漬けを作る時など

いろいろなシーンに役立つこと間違いなしです。

 

【シンプルな煮物に華を添える九谷焼の器】

 

宮本泰山堂のぶどうとリスの舟型向付。

ぶどうとリスが描かれた何とも奥行きのあるデザインが目を引きます。

工芸文様の一つにある葡萄唐草。この葡萄唐草は、古代エジプトに始まり、

シルクロードを通って、中国、日本へと伝えられた古く伝統のある柄です。

もともと茶懐石の中で、ご飯とお椀の向こうにお造りが置かれたことから、

このような呼び方が生まれたと言われる、お刺身や酢の物を盛り付けるための器ですが、

こんなに可愛らしい絵柄なら、日常使いの器として

例えば筑前煮やきんぴらゴボウ、青菜のお浸しなど

食卓によく登場するお料理を盛り付けても素敵です。

おだしを効かせた和食は、盛り付けがシンプルになりがちなので、

こういった絵柄を楽しむ小鉢や銘々皿で食卓の彩りを添えてみると良いですね。

 


 

【和食の道具と「手入れ」の関係】

これは和洋問わずに、どんな国の料理道具にも共通することですが、

特に和食の道具には人の「手入れ」が重要です。

読んで字のごとく、自分の「手」を加えることで

道具本来の働きを保ち、ものの寿命をより長くすることが出来るものです。

例えば、土鍋の「目止め(めどめ)」。土鍋は吸水性がある特性上、そのまま使うと水漏れする場合があります。

目止めは、米のでんぷん質が表面の目を埋めることで、

汚れを染みにくくさせる効果があります。初めてお使いになる前に、必ず目止めをして下さい。

 

 

【 目止めの方法 】

1.土鍋を水で表面を洗浄して下さい。※この時洗剤は使用しないで下さい。 

2.洗った土鍋を完全に乾かし、その後鍋の8分目まで水を張り、

水の量に対し1/5程度のご飯や片栗粉を入れて弱火でゆっくり1時間程煮込んで下さい。

※吹きぼれないように蓋はせず、また焦がさないように気を付けて下さい。 

3.煮上がったら火を止め、土鍋が完全に冷めたら、水洗いしてください。

煮上がった状態で一晩おくとより効果的です。 

 

【漆と木、和食器に特徴的な素材を美しく保つ工夫】

 

また、今回ご紹介した漆椀のお手入れにも気をつけたいポイントがあります。

基本的には普段お使いのガラスのコップや陶器を洗うようにお手入れすれば大丈夫です。

水やぬるま湯で薄めた洗剤を使い、スポンジで洗い流します。

先の尖ったものが当たると、塗膜が傷ついてしまうことも。

先の尖ったフォークやガラス食器とは別に洗うようにし、

洗った後は、そのまま長時間放置しないようにします。

水滴を残したままにしておくと、

水道水の中に含まれるカルキ分が残り、

色味の濃い漆器の場合、白っぽいものが目立ってしまいます。

優しくタオルやふきんで水分を拭きとってあげましょう。

 

 

 

投稿者: 斎藤 日時: 2016年09月15日 11:00 | permalink

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