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身近な金属を生み出す。富山に伝わる金物文化

 

 

道具のひとつである金物(かなもの)。漢字から分かるように、金属を使った道具を指します。日本ではおもに鉄や銅といった金属を斧や鋤(すき)、包丁といった生活用具、さらには甲冑や刀といった武具の原料として使用してきました。

 

こうした金物が多く生産されてきた地域のひとつが、現在の富山県。もともと富山県では、江戸時代に町の繁栄を図るために鋳造師が集められ、美術工芸品として金物が生産されたことがきっかけと言われています。徐々に金物に携わる職人が増えていったことで、全国に流通していた鉄をはじめとし、銅、錫、真鍮といった様々な素材の製法が確立していきました。また富山県では、鋳造や着色、彫金といったにそれぞれの工程を専門で受け持つ分業制により、生産の効率を高めてきた経緯があります。

 

そのため、現在ではそれぞれのメーカーが高い専門性と技術を持っており、こうして長年蓄積された技術が現代の新たなものづくりへと繋がっています。

 

 

金物を作るに当たり、必要な技術として「鋳造」があります。鋳造とは高温で溶かした金属の原料を型に入れ、固めることで形を作る技術。富山県では様々な原料を鋳込む鋳造メーカーが多数存在します。

 

■おりんを現代に

 

 

創業明治40年の山口久乗は、代々富山県高岡市で仏具を生産してきたメーカー。銅が重要な役目を果たす灯立や花立といった仏具というと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、山口久乗ではこうした仏具で培った銅器生産の技術を、現代の暮らしに合う形で生産しています。心安らぐ優しい音を奏でるおりんを、普段の暮らしに取り入れたいという思いからスタートした山口久乗のブランド、優凛(ゆうりん)。愛らしいモチーフや音の響きにこだわりを持たせ、玄関やリビングといった暮らしのシーンを彩るひとつのインテリアとして、おりんを提案しています。

 

 

 

 

 

 

おりんの器には銅合金、振り子には真鍮を採用している、優凛(ゆうりん)のおりん。鳴らすとリーンと澄み渡った音が長く響きます。このおりんの部分は形や大きさが異なれば、均一の音が鳴りません。おりんはまず、原料となる金属を溶かし、鋳型に流し込んで形を作ります。その際の気温や湿度も大きく影響するのが鋳込みの難しさ。金属を溶かす火の頃合いやその日の環境を考慮することで、美しく響き渡る音が実現します。

 

 

 

 

リビングや玄関に置いて使う、ことりんとまわりん。さらに玄関やお部屋のドア、冷蔵庫などに設置が出来るどありん。愛らしいモチーフの中に細やかな鋳造の技術と、音の良さを引き出す秘密が隠されています。

 

 

■真鍮の良さを引き出す

 

優凛(ゆうりん)同様に、高岡市で長年真鍮の鋳物に携わってきたのが、FUTAGAMI(フタガミ)。FUTAGAMI(フタガミ)は真鍮のインテリアを主として製造し、真鍮の良さを引き出し現代の暮らしに馴染んでいくものづくりを行なっています。真鍮はもともと耐腐食性が強く、加工が比較的容易で、船舶や建築金物、家具にも使われています。FUTAGAMI(フタガミ)の作る真鍮インテリアも、使い捨てでない長く使うためのものとして認識させてくれます。

 

 

 

光を当てると陰影が美しい、ブックエンド 分銅。シンプルな形なのに存在感があるのは、真鍮製だからかもしれません。支えるものに向かって斜めに重心が傾いているので、重たい本やノートの重量にも耐えられる作りになっています。ブックエンドの裏にはフェルトが貼ってあり、デスクが傷つかない配慮も。

 

 

 

 

こちらは独特な形が印象的な、包丁立て。上に木製のカバーが付いており、中が空洞になっています。また足の部分のサイドには切れ込みが入った形。こうした細やかな形も、鋳造前の鋳型によって作られています。ブックエンド同様に、重さがあることで倒れにくく、キッチンでも安心して使うことが出来ます。

 

 

 

鋳造による細やかな形は、小物にも。箸置き 結晶は、ひとつひとつの箸置きがまるで折り紙のような、はたまた羽を広げたような美しい形をしているのが特徴。均一に鋳造された3つの箸置きがセットになっており、洗練された姿からギフトにもおすすめしたい逸品です。

 

■錫の造形美

 

真鍮のほかにも、錫(すず)を鋳造し、美しい造形を見せるのが能作(のうさく)。能作もまた、1916年に代々伝わる鋳造技術を用いて高岡の地で仏具生産から始まった鋳造ブランドです。通常硬度を持たせて切削性を高めるためにほかの金属と加えるところ、純度100%の錫を用いて鋳造を可能にするという技術を持ち、金属の中では柔らかさのある錫の特性を最大限に引き出しています。

 

 

静かに光を反射させる、錫製のボウル Kuzushi。滑らかな曲線を描いた器は、工芸品のような美しさがあります。

 

 

 

表面、底面ともに錫ならではの濡れたような重厚感のある質感。その佇まいに普段使いはちょっと…と躊躇するかもしれませんが、お祝いのシーン等で使うと食卓が華やかになりますし、また、錫は錆びにくいという特徴があるため日々の食卓にももちろんおすすめ。お刺身や冷製パスタ等の冷たいものは、ひんやりとした温度を保ったまま食卓にサーブ出来ます。

 

 

 

セットでおすすめしたいのが、プレート 氷割。こちらは平たいシンプルなプレートですが、表面に錫ならではの細やかな模様が。プレートの縁に若干の歪みが見られるのも、錫の柔らかさによるもの。シルバーの色合いは、和洋どちらにもマッチするので、メインプレートとして揃えてみては。

 


 

 

富山県では鋳込みで型を作る技術のほか、着色の技術を専門にしてきたメーカーも存在します。tone(トーン)は分業制が進んだ富山県高岡市で、おもに銅器の着色業を専門にしてきた折井着色所から生まれたブランドです。

 

 

 

金属には単純に色を塗ることは不可能なため、銅を色付けするには様々な薬品を使い、銅に化学反応を起こす必要があります。折井着色所では、例えば赤色に近い明るさのある色を銅に出す場合には、伝統的には米ぬかを使ってきたのだそう。食品のイメージがある米ぬかを使うとは驚きですね。銅に米ぬかと薬品を混ぜたものを塗布し、真っ赤になるまで熱を加えます。その後、冷却した上で表面の酸化皮膜を磨いていくと、赤い朱銅が表れるのだとか。ほかにもお酢や大根おろしを使ったり、イネ科の植物を用いて煎じたり、と身近な植物を使いながら試行錯誤を重ね、銅への色付けを行なっていたのだそうです。こうした試行錯誤を経ることで着色業ならではの技術が蓄積されていき、現在では難しいと言われてきた薄い銅板や真鍮板にも着色が可能な技術が整えられています。

 

 

 

つるりとした表面を持つ金属もある一方で、銅はどちらかというとざらりとした表面を持ち、独特の色ムラが表れる金属でもあります。その風貌が逆に落ち着きのある佇まいを作り、さらに時間が経つことで変化を見せていく楽しみがあるのも、銅の特徴。色付けされたtone(トーン)の銅製品はそんな銅の特徴を残しつつも、ほかにはないものに作りあげています。

 

 

 

さらに銅は熱伝導率が良いため、温度を保ってくれる効果も。tone(トーン)のtumbler(タンブラー)やcup(カップ)は冷蔵庫で冷やしてお使い頂けるので、冷たい飲み物を注ぐ前に冷蔵庫で数分冷やせば、キンと冷えた飲み物を味わうことが出来ます。また、すらりとしたいちりん(一輪挿し)も、冷えた水を入れれば一定時間、水温が保たれるので花が長持ち。どことなく無骨さがありながらも、道具として十二分に役目を果たしてくれる銅製品です。

 

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投稿者: 植田 日時: 2017年08月31日 11:00 | permalink

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