晴れと、とっさの雨に「晴雨兼用傘」。〜槙田商店凸凹ジャカードが生み出す色みの魅力〜

 

日傘を持っている人の佇まいはどこか上品。それは用途の決まったモノを選び取り、大事に使っていることが伝わってくるからかもしれません。ただ、テレビを点けると「今日の天気は晴れのちところにより雨」なんて予報が流れる日も。そんな日のために、日差しも気になるけれど、とっさの雨にも対応する晴雨兼用傘を一本持っていると心強いです。

 

今回ZUTTOでは国産の老舗洋傘メーカーの槙田商店(まきたしょうてん)さんに、上品で味わい深い表情が他に類を見ないような、別注の晴雨兼用傘を作って頂きました。会社のはじまりは150年以上前まで遡りますが、その歴史の中には日本が歩んできた歴史と、私たち日本人の装いの変化も大きく関係していました。「晴雨兼用傘ってどんな時に使うのが正解?」「洗っても日傘の効果は薄れない?」そんな疑問にもお答えしながら、【晴雨兼用長傘 スクエアジャカード】をご紹介します。

 

 

 

 

ジャカード織りと老舗傘屋

「ジャカード織り」とは大きな模様を立体的に織ることで生まれる高いデザイン性が特徴で、ジャカード機という機械を使った織り方を指します。華やかで重厚感溢れ、その美しさはじっくりと見れば見るほど感じられます。

 

 

見た目も美しく使い勝手の良い日傘があったなら、という想いから槙田商店さんへご相談させて頂き、今回の【晴雨兼用長傘 スクエアジャカード】が実現しました。槙田商店の「日本製ジャカード織技術」と「一貫した手作り傘の技術」だからこそ生み出せる高品質で、美しい傘なのです。

 

槙田商店さんが会社を構える山梨県は、古くから織りの産業が盛んでした。傘に使われている布はすべて織生地。富士山の雪解け水を使って鮮やかに染められた糸で織られています。そもそもの会社の立ち上げは、江戸時代の商人たちが日常のお洒落を楽しむため、羽織ものの裏地に華やかなものを選んでいたことからなのだとか。

 

創業当時からの生地をアーカイブとして管理。

 

江戸時代に贅沢をしてはいけないとお触れが出ていた江戸の商人たち。その結果にたどり着いた日常のお洒落が、普段は目に見えない裏地に鮮やかな生地を縫い付けることだったのだそう。槙田商店のはじまりもこの裏地作りです。

 

関東大震災や太平洋戦争という歴史的な出来事も経て、一時は支店が焼失してしまったことも。日本が今日に至るまでの出来事を経験しながら、丁寧なものづくりが続けられました。しかしながら、時代が進むにつれて和装が廃れていき、生地の出番が少なくなっていきます。そのとき先々代が、当時輸入されていた西洋の傘の美しさに心打たれ、羽織りもので使っていた生地を洋傘に使うことを決意。昭和29年に、メインの事業が洋傘製造に切り替えられました。

 

 

傘の内側にも創業年を記したタグが。

 

今でこそジャカード織りが有名な槙田商店ですが、創業当初にはなかったもの。歴史が進み、技術の発展ともにその奥行きのある生地の美しさからジャカード織りが徐々に主流となっていったのだそう。江戸時代からの服地づくりで培われた技術と傘を組み合わせることで、品格溢れる傘を作り続けてきました。今でも各工程にプロフェッショナルが存在し、木型に合わせたカット、生地の縫製、そして傘の組み立てを丁寧に行っています。日本人の「おしゃれ」が時代を超えて今の時代まで伝わってきたようですね。傘もデザインから始めるのではなく、まずは使う糸を見極め、選び取り、その特徴を活かしたパターンを考えていきます。

 

 

1色で多彩な表情、スクエアジャカード織り

今回の晴雨兼用長傘には、槙田商店ならではの凹凸のある立体的なデザインである、スクエアジャカード柄を選びました。織り方は「凹凸ジャカード」と呼ばれ、2種類の異なる糸を交互に織り上げていくことで、それぞれの糸の伸縮性の差が凹凸のある表面となり、柄がぽこっと浮き出てくるのです。

 

※「凹凸ジャカード」(別柄)の生地見本です。

 

凸凹で立体的な大小の四角形が連なり模様を成す、ユニークなランダム幾何柄は、どこか和の雰囲気と北欧のテキスタイルにも通ずるデザインが魅力。糸は、ヨコ糸に綿、タテ糸には、スーツの裏地に使われることの多い「キュプラ」を使用しています。染色する際の、タテ・ヨコの糸密度や素材の番手(太さ)の違いにより、染まり方に違いが出て生地の色差が生まれます。

 

今回の別注品【晴雨兼用長傘 スクエアジャカード グレー】。タテ糸として使われているキュプラが濃く染まっています。

 

織り方は、どちらもサテンという種類のもの。タテ糸を多く見せるサテンと、ヨコ糸を多く見せるバックサテンを使用しています。素材の組み合わせと、織物組織により、生地の凹凸感が表れるという訳ですね。生地の特徴、そして織りによって生まれる独特な凹凸感を活かし、カラーは3色で展開。涼しげなジャパンブルーのネイビー和を感じさせるイブシの効いたグレー素材の色を活かしたホワイトの3色で表現しています。

 

 

そして、今回の生地の特徴は「後染め」であること。槙田商店は糸を先に染め上げ、そこから生地を織りたてていく「先染め」が主流ではありますが、今回後染めを選んだのには糸をよく知る老舗洋傘店ならではの理由が。後染めである事で、織り上がった生地を染色する際に熱をかけるので、その熱で生地が全体的に縮みがでて、柄に立体感がうまれます。これは同じ織り方を先染でしても難しいところだそう。より立体感のある織りとするために、あえて後染めをしています。

 

こうして織られた生地は落ち着いたトーンで、品格溢れる印象に。この生地とのバランスを見て、持ち手は明るめの色の籐を選びました。

 

持ちやすい形状と、バッグから何かを取り出す時、傘をサッと腕に掛けられる形にしたのもポイント。

 

また、しっかりと厚みのある生地を活かすため、形がきれいに出るよう中棒を木棒にし、10本骨の作りにしました。傘を開いたときの綺麗なアーチが佇まいを一層上品に見せてくれます。

 

 

 

こうしたデザイン性の高さを叶えながら、UVカット率はどのカラーも90%以上。一般的に濃い色味の方がカット率は高く、この傘も例外ではありませんが、一番淡い色味のホワイトでも紫外線遮蔽率は96%と、強い日差しにも問題なく力を発揮してくれる数値です。お手持ちのお洋服との組み合わせを想像しながら、お好きなカラーをお選びください。

 

 

洋にも、和にも合う

 

和モダンの美しさが感じられつつ、どこか北欧デザインのようなあたたかみのあるジャカード織りは、普段のお洋服にも合わせやすいです。

 

ワンピース:HERSCHEL ワンピースバッグ:籐ショルダー付ハンドバッグシューズ:Professional プロフェッショナル Black Oiled

 

 

カットソー:リネンコットン長袖Tシャツスニーカー:スニーカー Tenis leather Whiteバングル:STERLING SILVER BANGLE SB32、かごバッグ:近日発売予定

 

春夏に選びたいフェミニンなワンピースにも、カジュアルなカットソーにも合うジャカード織り。絵柄ではなく、糸の織り方によって見せる表情の中に、女性らしい上品さが感じられます。

 

日本の和装といえば、浴衣。奥行き深いジャカード織りは、日本の美とも言われる浴衣にも華を添えます。

かごバッグ:近日発売予定 ※浴衣、帯:スタッフ私物

 

日本特有の「涼をとる」感覚が感じられるような上品なジャカード織りは、夏の代名詞でもあるかごバッグにもよく合います。普段使いから、浴衣でのお出かけまで、幅広くお使いください。

 

 

晴雨兼用傘を考える

一本持っていると重宝する、晴雨兼用傘。照りつける日差しから守ってくれたり、とっさの雨にも対応出来たり、と万能選手ではありますが、いつでも使いたいからこそ湧いてくる疑問。普段使いのポイントについて整理してみました。

 

【どんな雨でも大丈夫?】

そもそも、晴雨兼用傘のメインの用途は日傘として。なので雨の日のメイン利用は避け、外出先で雨で思わぬ雨に降られてしまった、という時にお使いください。雨が朝から降っているときはお持ちの雨傘をお選びくださいね。

 

ワンピース:リネンジャージー ロングジレネックレス:ニット/クリスタル ネックレス

 

【濡れたときはどうすればいい?】

とっさの雨で濡れた場合、大事なのは水分をしっかり拭き取ること。といってもさほど面倒なことはありません。布で拭き、表面についた水分を取り除いた後、開いた状態で陰干しするだけ。日傘としてまた使えるように、しっかり乾かしてください。

 

【日焼けで退色が心配・・・長く綺麗に使うためにはどうしたら?】

紫外線を受け止めてくれる日傘。私たちを守ってくれるかわりに日差しを受け続ける傘の表面は、どうしても退色してしまうもの。ただ、その退色は毎日の使い方で少し気にかけると変わってくること。心がけて頂きたいポイントは2つだけです。

 

1. 毎日使わず、日傘をローテーションさせる。

 

どうしても毎日使うと、浴びる紫外線の量も日々蓄積されるため退色も早くなってしまいます。その退色を防ぐためには、複数の日傘をローテーションさせると、一本の傘に負荷がかからず、長くお使い頂けます。また、傘を守るためにUVカットスプレーをかけるのはどうかしら、と思う方もいらっしゃるかもしれせんが、スプレーの成分が生地を傷めてしまう可能性もございますのでお避けください。

 

2. 保管時は、直射日光や蛍光灯の光も当たらない場所で。

普段お出かけの時にたっぷり日差しを浴びる日傘なので、使わない時は休息が必要。先に述べたように直射日光もそうですが、蛍光灯の光も生地の退色を進めてしまう原因なのだそう。玄関先の日の当たらない場所に置いておくのが得策です。

 

【洗っても遮光効果は薄れない?】

傘を洗う、といってもどう洗うの?と疑問が浮かぶ方も多いのでは。日傘には素材によって洗えるものと洗えないものとがありますが、槙田商店の日傘は糸から作られている織り物であることから、洗うことが可能です。汚れが気になる場合や、シーズン終わりには中性洗剤を使って洗うことも出来ますが、シーズン中のお手入れであれば水洗いで十分。

 

また、今回の生地はUVカット剤は生地の裏側のコーティング樹脂に混ぜて塗布されているため、このコーティングが剥がれない限り紫外線の遮光効果が持続します。洗っても落ちることはないのでご安心くださいね。

 

洗い方の流れは下記の通りです。

 

1. 傘を広げ、ブラシなどで表面のホコリを優しく取り除きます。

石突きから露先に向けて小さい面で払っていくと、スムーズに出来ます。

 

2. 傘を開き、シャワーで軽く表面を濡らしから、手を使って傘の表面を撫でるようにして洗ってください。

洗う際、柄の部分は木製のため濡れないようご注意くださいませ。

※シーズン終わりには、このときに中性洗剤を泡立てて同じく表面を撫でるように洗い、再度シャワーで濡らして洗剤をよく落としてください。

 

 

3. 乾いた布で表面をしっかり拭き取り、日陰で干してください。

退色を避けるため、保管時と同様、直射日光を避けるようにしてください。

 

洗い方を知っておくと、万が一汚してしまったときも落ち着いて対処が出来るはず。その中でもわからないことがございましたら、ZUTTOカスタマーサポートまでお問い合わせくださいませ。

 

◇オンラインストアZUTTO カスタマーサポート

 TEL:03-5760-6647 (お電話受付時間:平日10:00〜16:00)
 E-mail:support@zutto.co.jp

 

日本の伝統と歴史が詰まったとも言える槙田商店の日傘。今回別注で作って頂いたスクエアジャカード柄は、その良さを十二分に感じられると思います。これから増えてくる、日差しが気になる日のお供として、お手に取って頂けたら幸いです。

 

▽コントラストが美しい、涼しげなネイビー

 

▽ピュアな可愛らしさ、ホワイト

 

▽和を感じる、落ち着いた大人のグレー

 

 

▽日本の美が詰まっている、槙田商店の傘はこちらから

 

投稿者: 武田 日時: 2018年04月06日 11:00 | permalink

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