比べる2人の使い心地。「MATEVARI 拭き漆椀」編

 

今回取り上げるのは、ZUTTOスタッフ2名が愛用中の我戸幹男商店(ガトミキオショウテン)、MATEVARI 拭漆。世にあまたモノが溢れる時代、何を持つか何を使うかは自由ですが、その中で同じモノを選び取るには理由があります。そんな同じお椀を愛用する2人の「使い心地」にどんな共通点、はたまた違う点があるか聞いてみました。

 

今回の使い手はこちらの2名。

 

商品企画M:

別注アイテムやイベントの企画者。最近手がけたのはKISSOのリング受注会。夫・娘の3人家族。

 

編集担当S:

よみものの編集担当。「モノは少なくここぞというところで一点豪華主義」がモットー。一人暮らし。

 

 

 

異なる2人が、同じお椀を選んだ理由

 

 

 

2014年にご紹介をスタートした我戸幹男商店(ガトミキオショウテン)のMATEVARI 拭漆。
ライフスタイルの異なる2人が、同じお椀を手に取ったきっかけは?

 

S:私は、ZUTTOでこのお椀の取り扱いが決まった時、撮影現場で一目惚れしてしまって。漆のお椀ってどこか堅苦しいイメージがあって実家以外では使ったことがなかったのですが、拭き漆だとこんなにモダンな雰囲気に仕上がるんだと、とてもびっくりした覚えがあります。つるっとした質感とぽってり可愛いフォルムが気に入って、自分用に購入しました。ZUTTOでのお取り扱いスタート時から使っているので、もう3年くらい経ちますね。

 

M:私は使い始めたのは今から半年前くらいで、割と新しいのですが、実はZUTTOで買ってません…(笑)

 

S:ZUTTOでも買えるのに、なぜ?!

 

M:そう思いますよね(笑)というのも、我戸幹男商店(ガトミキオショウテン)さんの直営店で購入したんです。石川県の山中地方を旅行した際、たまたま我戸幹男商店さんの路面店を見つけて。改めて手に取ってみたらやっぱり良いなと。山中漆器の故郷である石川の地で、旅の思い出として器を迎い入れるのも素敵だなと思って、家族みんなで好きなお椀を銘々に選びました。

 

この拭き漆椀、素地である木の種類がいくつかありますが、
それぞれどんな視点で選んだのでしょう?

 

 

M:私は夫と娘の3人暮らしなので、それぞれが自分の気に入ったものを選ぶようにして、桜が2つに、欅(けやき)が一つです。欅は残念ながらZUTTOではご紹介していない種類なのですが、桜と比べると木目がはっきりしていて、より個体差が際立つように思います。私はキッチンインテリアは同じもので揃えたいタイプなので、統一感を考えて桜3つが良いかななんて思いつつも、家族の好みでこんなセレクトになりました。

 

S:家族の形に合わせてお椀を選ぶなんて素敵。憧れます。ちなみに、1つだけ主張が強い欅を選んだのは、どなた…?

 

M:娘です。この木目が気に入っているらしくて、食卓に出す時に別の人の桜椀で出すと怒られます(笑)。

 

S:なるほど、自分で選んだから愛着が増すということなんでしょうね。私は桜椀を気に入って使っています。ZUTTOでは桜・楓・楢(なら)という3種類を取り扱っていて、その中で一番木目が穏やかなのが桜だったので。当時一人暮らし暦3年目くらいだったので、最初に間に合わせで揃えていたキッチンウエアを徐々に長く使えるものに切り替えていたタイミングでした。長い目で見て、他の器やカトラリーと違和感なく馴染むものをと思って選びました。

 

 

 

 

 

異なるライフスタイルで、拭き漆椀が果たす役割

 

 

 

3人暮らしと1人暮らしでライフスタイルが違う2人。愛用の形にはどんな違いがあるでしょうか。
メインは汁椀としての用途かと思いますが、使用頻度はどれくらいですか?

 

 

M:家族銘々のお皿を食卓に並べるので、自宅には器の種類も一通り揃っています。汁椀は、この拭き漆椀の他に黒・朱の漆椀もあって、気分に合わせて交互に使うようなイメージです。ZUTTOのお仕事でも古くから漆塗りの製品を見たり手に取ったりする機会は多くて、その良さは知っているかなと思っていましたが、拭き漆の仕上げはまた一味違いますね。毎日食卓に登場するという訳ではないものの、コンスタントに使い続けている器の一つですよ。

 

S:私は逆に、使わない日はないぞ!というくらいのペースで使っている気がします(笑)

 

M:それは汁椀として毎日使うということ?

 

S:汁椀以外の使い方も結構していますよ。サラダボウルのように使ったり、小さくカットしたバゲットを盛ったり。ちょっとお茶漬けが食べたいな、、という時にもこの拭き漆椀を使います。私の中では和食器というよりも小ぶりで高さのあるウッドボウルという立ち位置かもしれません。もともとモノはなるべく増やさないように考える方なのですが、機能重視で考えると一人暮らしの食卓にはそんなに器の種類がなくても対応出来るんだな、という風に思えました。

こんな感じで高橋工芸のプレートの上に載せて朝ごはんに使ったり。この時はヨーグルト+グラノーラを入れています。

 

MATEVARI 拭漆(桜)Cara プレート(M)Aino Aalto タンブラー(クリア)

 

M:面白い使い方!私は「ザ・汁椀」という感じの使い方しかしていないですが、お椀=ウッドボウルというのはその通りなので使い方の幅を広げると、ヨーグルトとかアイスクリームとか、意外とそういったものにも応用可能かもしれません。

 

S:はい、お汁を入れても大丈夫、というのが漆椀の良いところなので考えてみればいろいろな用途で使えるんですよね。

 

 

 

モノが語る時間、エイジング比較

 

ZUTTOでの人気を見ても、桜がダントツで選ばれているようです。
3年と半年で愛用期間が異なりますが、見比べてみて経年変化は感じますか?

 

 

 

S:ほぼ3年途切れることなく使い続けています。ただ、新品と比較しても特に目立った変化はないように思えますね。欠けたり退色したりということもなく、劣化が少ないのは漆塗りの効果によるものなのかなと思います。これからさらに年単位で愛用歴を重ねていった時にどんな変化が現れるのか楽しみなところです。

 

 

 

M:私はまだ半年と使用歴が短いので、これといった変化は感じません。これからどんなエイジングが待っているのか楽しみという点で私も同感です。あとは経年変化というよりも、こうして3つ並べた時の個体差がやっぱり面白いなと思います。木の種類が違えばもちろん木目も風合いも違うのですが、2つ使っている桜も、同じ木材でもやっぱりそれぞれに違う表情があって。これからも家族と一緒に時を過ごす器だと思うと、なんだかぬくもりを感じます。

 

 

 

 

 

 

愛用者同士でこっそり聞きたい、「これってどうしてますか?」

 

 

どんな器と一緒に使っていますか?

 

 

M:サラダボウルとして使ったり、朝ごはんではヨーグルトを入れたりと幅広い用途で使うの、面白いなと思いますが、他の器とのコーディネートという点で、相性はどうですか?

 

S:和食器はどんなものでも合いますね。ZUTTOでご紹介している中では、東屋の印判茶碗や、宮本泰山堂の九谷焼を使っています。最近TOJIKITONYAの粉引 リム皿を追加したのですが、色の白い器の中に拭き漆の色味があると食卓が引き締まるなぁと実感しました。

ただ最初は和皿でないと違和感あるのかなと思ったのですが、実際に使ってみると洋皿にも意外とマッチするのかなと思います。先に朝ごはんの例をお話しましたが、高橋工芸の白木のプレートの上に載せても良い感じでしたし。拭き漆は程よく木の質感が残っているので。これは嬉しい発見でした。

 

 

洗った後は水気を拭く?拭かない?

 

 

M:私は使い終わったら、すぐ洗ってすぐに拭くようにしています。拭き漆なのでそこまで神経質になる必要もないかなと思いつつ、、やっぱり素地は木なので長時間水に触れるのは良くないなと。お手入れってどうしてます?

 

S:偉い!(笑)私も使い始めはそうしていたのですが、最近ちょっとずぼらになりまして、洗ったらそのまま放置して自然乾燥させてしまうことが多いです。

 

M:逆に自然乾燥させるのってどうですか?何か気になることってあります?

 

S:今のところは意外と問題ないのかなと思います。水滴の乾き跡がちょっと残るくらいで、お椀それ自体が変形したり、シミになったりということは特になさそうです。ただ本当はすぐに洗ってすぐに乾かす、が基本なので、私も見習おうと思います…(汗)

 

 

家族で使う時のサイズ感

 

 

S:お子さんも大人と同じ漆椀を使うという発想がとっても良いなと思ったのですが、サイズや使い勝手で気になることはありませんか?

 

M:今年5歳になる娘も特に違和感なく使っていますね。もともとお椀としてはやや小ぶりのサイズ感になっているので、女性も子供も使いやすいサイズかなと思います。

 

S:家族と一緒にお椀が育つ感じ、良いですね。羨ましいです(笑)

 

M:一人暮らしをともにするお椀というのもなかなか良いと思いますよ!こうした定番品は、後から買い足すことも出来るし、確かに家族の人数やライフスタイルに合わせて、数や用途を変えていくことも出来ますよね。

 

S:それは確かに。ライフスタイルに合わせて選び、使う楽しさがあるというのは無駄のないシンプルなモノならではの点かもしれません。

 

 

 

▶︎我戸幹男商店(ガトミキオショウテン)について

明治41年、石川県は山中温泉。木工所として創業した我戸幹男商店(ガトミキオショウテン)は、高度なろくろ挽き技術を活かした山中漆器ブランドです。 キーワードは「不易流行」。変わらない山中漆器の伝統の技を「不易」、現代に生きる感性から生まれるデザインを「流行」と捉え、このふたつを融合し、新しい漆器を生み出すというブランドの姿勢が、そのまま天然木と漆を用いた造形に溶け込んでいるかのようです。高度なろくろ挽き、まるで上等な家具のごとく艶やかな漆仕上げという技術はそのままに、現代の暮らしにすっと馴染むものづくりを行っています。

 

 

 

▶︎比べる二人の使い心地 倉敷意匠「引き出しボックス」編

 

 

▶︎比べる二人の使い心地 fog linenwork「リネンマッサージバスマット」編

 

投稿者: 斎藤 日時: 2018年07月10日 11:00 | permalink

閉じる