ずっと使いたいモノ、置いてます。

美しいハネにかける

コートスタンドって、ちょっと贅沢ものだなぁと思います。

でも、あるとその季節に着るものを、すっとかけたり、はおったりするのに、ちょっと便利なわけです。
ちょっとした来客に、その方の目の届く範囲に上着をかけてあげると、とてもスマートな気もします。
こう考えると、欲しいなと思うわけですが、なきゃならないものでもありませんし、日本の住居事情を考えるとコートスタンドってどうなのかなと思うわけです。

プロペラが、印象的なこのコートスタンドを作った森田貢さんも、なきゃならないものでもないんだけどと思っていた一人でした。

森田貢さんは、宮内庁や国会議事堂などの椅子職人を経て、東京は立川で無垢素材を使ったオリジナル家具の工房を主宰されています。

「永い年月を経て育った木は、素材としてもそれに負けないくらい耐久性を持っています。そんな大切な資源を扱って行く上で、「家具」に形を変えた後も、さらに永い年月お使い頂けるよう創意工夫をしています。」

そんなフィロソフィーを持つ森田さんの家具は、仕上げは、無公害で人にも優しい植物性オイル、ワックスを使ったオイルフィニッシュ。
家具はいつも身近にあるものという考えから、同様に安全性に配慮したものを使用されています。

その森田さんが、コートスタンドを作りました。
理由は、「やっぱり欲しいから。」
はじめに作ったプロペラハンガーは、まるで花びらのようなプロペラを持つ美しいハンガーでした。

そこにお客様からのニーズを新たに加えて、場所をとるイメージのあるコートスタンドを、出来るかぎりコンパクトにする。
かといって、誰かの印象に残る姿は残したい。
それと、使い勝手。

森田さんのコートスタンドへの思いは膨らみます。

そうして、プロペラはよりプロペラらしくなり、使いやすいように可動式になって、少し落ち着いた土台を手に入れたコートスタンドのハネは５枚になりました。
一人暮らしの部屋にも安心のコンパクトさと雰囲気のある佇まいを手に入れました。


「ただ、欲しいものを作っただけなんです。」
森田さんのそんな言葉ではじまったコートスタンドづくり。
そのハネにかけるのは、お気に入りのシャツや大切な人の上着と気遣い。
きっと、誰かにとってなきゃならないものになるはずです。