Keep it long, treasure it long.

HAVERSACKらしさ溢れる一着

風をはらみ軽やかに動く、Aラインシルエットのステンカラーコート、またの名を「ハンティングコート」といいます。名前の由来は、その昔男性が狩猟に出掛けた際のコートをモデルにしているからです。
HAVERSACK（ハバーサック）はヴィンテージウェアに見られる機能的なディテールをそのまま残し、新しいスタイルに昇華させることを得意としていますが、今回のステンカラーコートにもその心意気は見られます。

フロントには大きめのポケットが左右について、右側には小さめポケットがもう一つ。これはチェンジポケットと呼ばれ、小銭やチケットを入れるためのもの。元々は狩猟時の発射薬を入れるためのポケットであったとも言われています。ポケットにはフラップが付いているので入れたものが飛び出る心配は少ないですね。
そしてこのコートを手に取ると最も驚くのが、背面に付いたゲームポケットです。この場合のゲームとは狩猟のことを指すようなのですが、狩猟時に使う地図を背中側のポケットに入れ、左右どちらからでも取り出せるようにしていたのだとか。深さがあるので、小さいものを入れると取り出す時に少々もたつき、かつどこかに座ると背面ポケットに入れたものをつぶしてしまうので、どう活用するかはあなた次第です。

千鳥格子柄のコートは少し派手？と思いがちですが、リネン素材なのでカジュアルな要素も加わり、実際に羽織ってみると派手さは無く、とても上品な印象です。千鳥格子は英語でハウンドトゥースと言いますが、その意味は「狩猟犬の牙」。ハンティングコートの柄にハウンドトゥースを持ってくるところが、さすがHAVERSACK（ハバーサック）です。

すっきりとしたスタンドカラーの襟元からなだらかなカーブを描くオリジナルのラグラン袖は、着る人それぞれの肩幅に馴染むように工夫されています。袖は長めなので、まくったりボタンで留めたりしてくださいね。袖口のボタンは2つあり、絞り具合を調節出来ますよ。中にしっかりとした厚手のニットを着ても、腕がスルっと通せて、ふわっと羽織れます。どこかクラシカルな印象がありつつ、程よく力が抜けた素敵な一着です。

真に価値ある物

HAVERSACKのデザイナー、乗秀幸次氏はもともと海外ブランドの製品を日本に紹介する仕事を手掛けていました。数多くの製品を扱い続ける中で、やがてある思いが高まっていきます。『永年に渡って変わらず愛され続けているものも、この世の中には存在する。流行に左右されない、完成度の高いタイムレスなデザイン。長い間着ていても飽きることのないヴィンテージになりうる服に取り組みたい。』

ブランドコンセプトは『日常の中で真に価値ある物』 。洋服を身につける道具と捉え、形として独立して美しい物である事と、人体と関わった時にどう見えるかの2つの面から創作しています。素材とパターンの魅力を最大限に引き出す古典的デザインと丁寧な縫製によって生み出される形は、飾り立てる服ではありませんが、思わずじっと見入ってしまう様な完成度を追求しています。

ヴィンテージになりうる服

ものづくりの特徴の例をいくつか挙げるとすれば、長く愛用できる堅牢な作り・シンプルな中にも魅力的なディテールを取り入れたデザイン・体型を問わず着用できるよう工夫されたパターンなど。肩まわりや身幅に少しゆとりを残した形などは、がっしりとした体型の方もストレスなく着用でき、逆に細身の方がゆったり着ても雰囲気が出る絶妙な形に作られています。着丈にも野暮ったく見えない工夫を凝らし、長年着続ける中で体型が変わってきたという場合でも安心と、改めてファンになる方も少なくないようです。
他にも襟に麻の芯を使ったり、冬物に麻を取り入れたり、生地の風合いやシワの入り方など、着ていくうちに雰囲気が変わることを計算しながら、新品でも長く使い続けても、それぞれの表情が楽しめる服づくりをしています。
ミリタリー、マリン、ワーク、ユニフォーム、テーラードなどを軸に、工夫を凝らしたカッティングや縫製により、デザイン性と機能性を実現。生地に至るまでの全てを日本製、日本生産にこだわった製品は、その人気が「NEW YORK TIMES」で取り上げられるなど、既に日本国内のみならずアメリカ、イギリス、フランスといったファッション大国においてもその実力が認められています。