お正月は今も昔も私たちにとって特別なもの。以前より簡略化されてきていますが、それでも欠かせないのが鏡餅やお正月飾りです。鏡餅は新年の神様をお迎えし、家族の健康と幸せを願う象徴として、昔から大切にされてきたもの。近年、本物のお餅で鏡餅を作る家庭は減ってきましたが、木やガラスなどに素材を変えて、今も変わらず受け継がれています。
2027年のお正月に向けて、今年は木彫りの職人が作る、一刀一木造りの鏡餅の受注会を開催します。作っているのは、福井県鯖江市にある鈴木彫刻所の鈴木美央さん。神社仏閣や住宅の建築彫刻など、約30年にわたって手がけてきた職人です。三方、お餅、橙が一体になっているのが気になって、どのように作られているのかをぜひ見てみたいと思い、工房にお邪魔しました。建築彫刻の仕事のこと、そして鏡餅が生まれるまでのことも聞かせていただきました。
【同時開催中】
▼わらむ|しめ飾り

彫刻という仕事

神社やお寺、昔の住宅には、軒下や柱まわりに木の飾り彫刻が施されているものがあります。単なる装飾としてだけでなく、たとえば屋根の下に飾られる懸魚と呼ばれる彫刻は、水に縁のある魚や想像上の生き物をかたどることで、火事を防ぐまじないとしての役割を、柱や梁の先端を隠す部分の彫刻には、雨水の浸入を防ぐといった機能が兼ねられています。伺った日にも、表に出すことはできませんが、立派な建築彫刻を製作されていました。

現存する神社仏閣の修復だけでなく、どんな文様にするかという段階から担うこともあるのだそう。彫る技術はもちろんのこと、何もないところからデザインを考え、それを木に彫り起こしていく。デザイナーに近い仕事の側面もあることを、今回の取材で初めて知りました。

この彫刻の技術を体系的に受け継いできた産地が、富山県南砺市の井波です。江戸時代中期、火災で焼失した瑞泉寺の再建にあたり、京都から派遣された御用彫刻師が地元の大工に彫刻の技法を伝えたのが始まりとされています。以来250年以上にわたって技術が受け継がれ、現在も200人を超える職人が彫刻産業に携わる、日本一の木彫刻の産地として知られています。全国から後継者を志す人が集まり、親方のもとで技術を身につけていく制度がある、数少ない産地です。

高校生のころから伝統工芸に興味を持っていた鈴木さん。伝統工芸の産地を見て回るうちに、それらの多くが分業であることがわかったのだそう。一方で彫刻は、デザインを考えて、彫って、仕上げまで、最初から最後まで一人の手で完結するもの。そこに惹かれて井波で修行をし、彫刻の道へと進みました。
鏡餅が生まれるまで
鈴木さんは、神社仏閣の彫刻に携わる傍ら、15年にわたって福井と東京で教室を開催しています。鏡餅ができたきっかけは、教室からなのだそう。お正月らしいものを作りたいと要望があり、彫ったのが鏡餅です。


通常の鏡餅は、三方、鏡餅、橙がそれぞれ別のパーツでできていますが、鈴木さんの鏡餅は、それらがすべて一体になっているのが特徴。一つの木からおおよその形を削り出し、その後何種類もの鑿(のみ)を使い分けながら形作っていきます。

特に注目したいのは三方の部分。ここも鉋(かんな)ではなく鑿(のみ)で削り出しています。一見すると平らで滑らかな表面ですが、鈴木さんが鑿(のみ)で一つひとつ彫り出して形作っています。木製とは思えないような柔らかな見た目のお餅と、正確な形の三方。対照的な二つの形をノミだけで削り出せるのは、鈴木さんの確かな技術力によるものです。


一つの木の塊から、台もみかんも継ぎ目なく彫り出す。そのものづくりの面白さと、長年積み重ねてきた確かな技術に惹かれて、この鏡餅の受注会の開催となりました。鑿(のみ)の跡が残る仕上がりや、この鏡餅が持つ柔らかな雰囲気は、鈴木さんだからこそ。

全部で3サイズご用意しています。消耗品ではなく繰り返し使えて、毎年飾るのが楽しみになる、長く大切にしたい鏡餅です。
<受注会について>
受注期間:7月24日(金)正午まで
お届け予定:12月中旬
・お支払い方法は、【クレジットカード・アマゾンペイ・キャリア決済・PayPay】のいずれかをお選びください。
・不良品の場合を除き、受注会終了後のキャンセルや商品の返品・交換は承っておりません。
・受注会終了後に決済を確定いたします。決済確定のご連絡はいたしませんので、予めご了承くださいませ。
・受注会のお品物は、同時開催している「わらむのしめ飾り」以外の商品と一緒にご注文いただけません。お手数ですが、別でご注文いただきますようお願いいたします。また、配達日の指定はできません。
・在庫状況によってはキャンセルとさせていただく場合がございます。何卒ご了承くださいませ。
