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はじめての真鍮、どう使う?

 

古いものは、好きですか?

 

今回取り上げるのは、「真鍮」という素材。アンティークのような控えめな光り方をして、家具や建材にも多く使用されることが多い金属ですが素材の特性やお手入れとなると、意外と知らないものです。

古くなるほどに、ゆったり少しずつ変化するという特性は、金属ならではのものかもしれません。

金属というと硬く冷たいイメージがありますが、そこに人の手が加わると、なぜか温もりを感じられるという不思議な側面もあるように思います。

今回は、インテリアブランドFUTAGAMI(フタガミ)を取り上げて真鍮という素材に焦点をあててみます。

 

 

 

 

 

銅と亜鉛、6対4です。

 

「真鍮」と、辞書を引くと「銅と亜鉛の合金。黄銅(こうどう、おうどう)のこと」とあり、おおよそ6:4の割合を基準に、求める特性によりバランスや添加物を調整するのだそう。


真鍮は、腐食しにくく、加工しやすいという特性があるため太古から建築、造船、家具など様々な分野で使用されてきました。また素材の持つ風合いが柔らかく、光沢も優雅。美術工芸品や仏具などの素材としても長い歴史があります。

私達の一番身近にある真鍮製のものといえば「5円玉」。ピカピカの硬貨もあれば、長い年月を経て黒く光が増したものもあります。この5円玉の風合からも分かるように、真鍮は腐食しにくい一方で使えば使うほど表面が酸化し、独特の味わいが出て人と場所に馴染んでいく素材なのです。

 

こちらの写真は、いろいろな形の鍋敷。使い込むうちに、人の手や空気に触れてところどころ黒くなってきているのが分かります。こうして表面が酸化することで独特の風合、つまり経年変化を味わえるということです。

 

 

 

 

 

無垢、それが良い

 

特に、FUTAGAMI(フタガミ)のアイテムは、メッキや塗装などをしない『無垢の真鍮』で作られています。

最初はピカピカとしていますが、使い込んで行くうちに、徐々に色合いが濃くなっていくんです。そして使えば使うほど、表面が酸化して独特の味わいが出て、素材本来の美しさが増していきます。

また、「砂型鋳物」という技法で作られていますので砂型の『鋳肌』が出ているのも、FUTAGAMI(フタガミ)の特徴。独特の砂目、色合い、擦れ具合などは『無垢の真鍮』の証。

「垢」が「無い」と書いて、'無垢'です。

箱から出してすぐの無垢真鍮で出来た栓抜きや箸置きは、何というかとてもピュアな感じ。そこから、空気にさらされて、人の手に触れられて、少しずつ表面の味わいが変化していく。もちろん、手の垢もついていくでしょう。表面に塗装を施さない無垢の仕上がりだからこそ、使う人の手によって育っていく。面白いですね。

 

真鍮は「腐食しにくく、加工しやすい」と書きました。その特徴を活かして作られたアイテムは、キッチンからテーブル小物、ステーショナリーまで様々。

例えば、こちらの栓抜き。「栓抜き 枠」という名の通り、枠だけが形どられたユニークなデザインで、瓶の王冠に噛ませる部分までしっかりとした造形になっています。枠の部分に革紐などを結べば、壁に掛けて収納することも出来ますよ。

 

 

 

 

 

時間をかけて、少しずつ

 

真鍮は、手垢や黒ずみが気になるかな?という時、元の輝きを取り戻すためには、市販の金属研磨剤(メタルポリッシュ等)や磨き布などで磨けば、元の輝きを取り戻すことができます。ただ、人の手で触ることで表面の光が鈍くなるのは、それはそれで味わい深いですし、研磨剤は表面を削ることにもなりますので、普段はさっと布で拭く程度でもOKです。

また、使用中まれに緑青(ろくしょう)が発生する場合があります。この緑青は、銅が酸化されることで生成する錆のこと。緑青は無害・無毒ですが、見た目が気になる場合は、酢(家庭用)に、同量の塩を混ぜた液を布につけて、緑青が発生している部分に直接こすりつけて磨き落とします。その後食器用洗剤で洗い、すすいだ後は、水気を拭き取ってくださいね。

このように、気になる場合は取ってしまえば良いのですが、銅像や日本美術の世界では、むしろ緑青独特の色を効果的に取り入れる、ということもあるのだそう。

実際に、日本に古来から伝わる色に「緑青色(ろくしょういろ」というものがあります。もともとは基調な孔雀石(くじゃくいし)を砕いて作った絵の具を差す言葉ですが、銅をはじめ、真鍮のような銅合金に生じる錆も顔料のもととなり、こうした錆の色も、緑青色と呼ぶのだとか。

使う中で少しずつ出てくる緑青は、取り切らずにそのまま残すというのも、1つの味わいかもしれませんね。

 

 

 

 

 

キッチンから書斎まで

 

テーブル小物で便利なのが、箸置きと庖丁立て。

どちらも真鍮ならではの程良い重みで安定感があります。キッチン・ダイニングで使う小物は水に触れることが多いですが、腐食しにくい真鍮は、こういった面で便利です。

 

 

 

 

重みがある素材ですが、真鍮製のペンダントランプも。光を通すガラスや和紙のランプシェードと比べると真鍮は光を通さない分、下向きに発する光が強調されてムードたっぷりの空間を演出してくれます。

 

 

そして、シンプルな造形はステーショナリーにも。新品の状態でも、アンティーク雑貨のような落ち着きがあり、じっくりと育てていきたくなる佇まいです。

写真の右側がベーシックな鍮肌で、左側は独特の「黒ムラ」というタイプ。デスクの上に置いても安定感があるので、ペンや名刺、印鑑の定位置としてお使い頂くと素敵です。

 

 

 

そして、意外と相性が良いのが女性用のアクセサリー。頻繁に付けたり外したりするピアス、指輪などを置くトレイとして使うのにちょうど良いサイズなんですね。

女性らしいアクセサリーと静かな佇まいの真鍮は程良いギャップがあって、相性抜群。

 

 

長く愛用する=時間がかかる、ということなので物自体はどうしても少しずつ古くなっていきます。

ただ不思議なのは、「古くなる」ことが「消耗」に結びつくものと、「味わい」に結びつくものに分かれるということ。

愛用品と長く連れ添うのが好きという方の中には、古いものや、経年変化が好きという方が多いのではないでしょうか。

真鍮は、もちろん「味わい」へと結びつくものです。ペーパーウェイト1つから、ずっしりと重いキッチン雑貨まで。姿形が変わっても、変わらぬ素材の味わいがある。それが真鍮の魅力なのかもしれません。

 

 

 

※FUTAGAMI(フタガミ)のアイテムは1点ずつ人の手で作られているということと合わせて、製造途中で空気に触れて、不用意に酸化することを防ぐためまとまった数量を作り置くことをしないそうで、製造に時間がかかります。

入荷にお時間を頂くことがありますが、どうぞご了承ください。

 

投稿者: 斎藤 日時: 2015年07月16日 11:00 | permalink

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