クラシックな華やかさ。普段の装いに取り入れる、ドレスシューズ

 

「ドレスシューズ」と耳にすると、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。

いわゆるスニーカーやスポーツシューズと対極にあるドレスシューズは、もともと社交界のパーティーやオペラ観劇用のドレスに合わせて作られたシューズ。そのため、どちらかというとシルエットや質感の美しさが重視されてきた経緯があります。ドレスシューズという名から想像するに、きらびやかなイメージがありますが、基本的には革を素材にしたシューズがほとんど。上質な革を使いながら、意外にもデザインはシンプルなものが多くあります。そのため、お祝いごとやお呼ばれしたパーティー、お食事会といったちょっとおめかししてお出かけするときだけでなく、普段の装いにも合わせてみると、スタイルを一段と引き立ててくれる存在に。今回はこうした名脇役のドレスシューズをご紹介します。

 

紳士靴をベースにした、レースアップシューズ

 

靴紐で前を締めるレースアップシューズは、もともと男性向けのドレスシューズの定番。現在でも男性がスーツに合わせるシューズは紐の付いたオックスフォードシューズと呼ばれるドレスシューズが多いですね。どちらかというと男性が着用するイメージが強いからか、女性が履くとスタイリッシュな雰囲気になりますが、ふんわりとしたスカートや優しい色味の服と合わせると女性らしさの映えるスタイルに。レースアップシューズの中でも、トウの形やデザインによって大きくその印象が異なるのが特徴です。

 

基本のプレーントウ

 

レースアップシューズのうち、甲〜つま先にかけて特に装飾がないものをプレーントウと呼びます。デザインが非常にシンプルなので、使われている素材によっても印象が変わります。

 

 

 

もともとはダンスシューズとして考案された CATWORTH(カットワース)のフラットシューズ JazzShoe。ダンスのステップやタップを踏むために耐久性が高められており、非常に柔らかいカーフレザーを素材にしていることで、軽く、足に優しくフィットする感覚があります。ダンスシューズとしての背景を見ると比較的カジュアルなスタイルに合わせやすいシューズなので、レースアップシューズの中でも普段の装いに取り入れやすいアイテム。丸みを帯びたプレーントウは優しい光沢があり、カーフレザーの持つ柔らかさを助長してくれます。

■こんな装いに:ベーシックな色合いのコーディネートに馴染ませる。ふんわりした柔らかさを出したいときに。

 

 

 

同じくCATWORTH(カットワース)から、パテントレザータイプのドレスシューズ。エナメル加工が施されることで、より光沢感を増したレースアップシューズはよりフォーマル度がアップ。プレーントウだからこそ、素材の違いが顕著に表れますね。

■こんな装いに:デニムや黒といったコントラストのはっきりとした色合いのコーディネートに。足首を見せるとすっきり。

 

間違いのない、ストレートチップ

 

レースアップシューズの中でも、つま先の切り替え部分(チップ)に横一文字に線が入ったストレートチップと呼ばれるデザインは、男性がスーツに合わせる革靴の定番デザインでもあるフォーマル度が高いもの。

 

 

 

chausser 2wayシューズ BRは、艶やかな牛革が美しいシルエットを作るレースアップシューズ。「マッケイ製法」という手法で、甲革・中底・表底を一緒に通し縫いするというもので、すっきりとしたデザインを実現しています。靴内部の底から甲にかけて、足を包むように仕上げるため、自然にフィットしてくれます。ストレートチップのデザインに加えて甲を覆うV字型になっている部分の端が内側に収められている「内羽根式(うちばねしき)」と呼ばれるスタイル。無駄のない見た目で、上品。

 

 

 

男性が履く場合は冠婚葬祭にも使えるほど、フォーマル度が高くなりますが、女性が履く場合は足のラインが見えるスカートやワンピースに合わせると、ぐっとファッショナブルに。とことんシンプルなレースアップシューズがどこかクラシカルで品の良い雰囲気を作ってくれます。靴紐を外してスリッポンタイプにもなるchausser 2wayシューズ BR。紐を外した場合はよりカジュアルになるので、コーディネートに合わせて靴も変化させてみては。

■こんな装いに:ストレートチップならではの洗練されたデザインを強調するために、足元はシンプルなコーディネートがおすすめ。ワンピースにタイツ、細身のパンツなどが合わせやすいシューズです。

 

遊び心のウイングチップ

 

プレーン、ストレートチップに比べてよりカジュアルダウンされたデザインがウイングチップ。チップが翼のように「W」の形をしたものがそれに当たります。

 

 

 

こちらはスペインのシューズブランド、PALANCO(パランコ)のウイングチップレザーシューズ 。どことなく無骨でどっしりとした印象を受けるのは、ブランドがもともと乗馬ブーツを手がける専門メーカーだったこともあり、汚れや傷を受けても丈夫に履き続けられる、そんな堅実なものづくりが表れているからかもしれません。

 

 

つま先にはウイングチップのWモチーフに、ぽつぽつと穴の開いた装飾、そしてストレートチップと対照的な外羽根式。ウイングチップだけでも十分にプレーンやストレートチップと異なることが分かりりますが、この違いはウイングチップが16世紀頃のスコットランドやアイルランドの湿地帯で、労働の靴、狩猟用の靴として作られていた背景にあります。ハンティングシューズのデザインにも採用されたウイングチップは、着用後に内部を乾燥させやすいよう穴を開けるようになったのでした。

 

 

ウイングチップの伝統的なデザインは、シューズ自体をより華やかに、まさにドレスアップさせたように見せてくれます。

■こんな装いに:ビビッドな青、赤といった鮮やかな色合いの服や柄の入ったストール等に合わせても、主張しすぎずに馴染んでくれます。

 

履きやすさで選ぶなら、パンプス

 

ドレスシューズの中でも、女性にとって手にとりやすいアイテムのひとつがパンプス。靴紐を付けず、履き口を広くカットしたパンプスは、19世紀頃にはオペラ観劇用のフォーマルシューズとして知られていました。特にパテントレザーのパンプスは汚れにくく高級感のあること、紐が付いておらず安定したヒールの作りが長時間履くことに適していること、甲の開いた形がスタイルをよく見せることなどから、実用性とファッション性の両立が評価されて、時代を超えて多くの人に愛用されてきたシューズです。

 

 

 

イチゴのように真っ赤な色合いが愛らしいCATWORTH(カットワース)のバレエシューズ Slip on Ballet Shoe Rubyは、パンプスの定番デザインである丸みを帯びたトウにリボンの付いたフラットなシューズ。光沢のあるパテントレザーにシンプルな作りでありながら、つま先部分が細過ぎずぽってりともし過ぎていないので、足に合わせやすい特徴があります。ヒールが低いので、長時間履くことができるのも魅力のひとつ。

柔らかく光を跳ね返し、特徴的な赤色が目を引くパンプスは、ダークカラーの服に合わせるとその魅力が高まります。カジュアルなデニムに合わせれば足元を引き立てる存在に、スカートやワンピースに合わせれば清楚な仕上げ役に。

■こんな装いに:履くと存在感のあるパテントレザーのパンプスは、とことんシンプルな装いに合わせてシューズを主役にしてみても。トラッドなカーディガンとキルトスカートに合わせると、英国スタイルの出来上がり。

 

 

 

こちらは同じくCATWORTH(カットワース)から、ローヒールワンストラップシューズ Patent/Lead。足首をストラップで固定して歩きやすさを高めたストラップシューズは、もともと19世紀にドレスアップした子どもたちが身につけるフォーマルシューズだったのだそう。どこかあどけない愛らしさとクラシックな雰囲気を感じさせるのは、そんな背景からかもしれません。CATWORTH(カットワース)のストラップシューズは、つま先に向かってやや細身に作り、3cmヒールを付けることで、すっきりとした足元を作ってくれます。底裏には滑り止めがついているので安全性も安心です。一足あるだけで、お呼ばれした場やお食事会など、セミフォーマルな場でも活躍してくれるドレスシューズになってくれます。

■こんな装いに:フォーマル度の高いワンピースやパンツに合わせやすい一足。ちらりと見えるストラップがきちんとした印象づくりに一役買ってくれます。

 

 

足先に装飾のないプレーントウに、ヒールの付いたパンプスも今では定番デザインですね。イタリアの職人がレザーの裁断から靴底の手縫いまで約240の工程を経て作られる、DIVINA(ディヴィナ)のパンプス。

 

 

 

13世紀から婦人靴の産地として栄えてきたイタリア北部のブレンダで、1000を超える独自の木型(ラスト)を使い美しい靴を作り上げています。緩やかにつま先が細く見えるアーモンドトウ。レザー巻きの太めのヒール。こうした細かな仕様が、安定感のある履き心地と美しいシルエットを作り上げています。単色づかいでありながら、控えめながら光沢を放つ上質な牛革や柔らかさのあるスエードを使うことで、シーンを選ばず長く履き続けられるパンプスです。

■こんな装いに:ビジネスシーン、セミフォーマルな場におすすめな一足。ヒールとアーモンドトウがすらりとしたスタイルを作るので、パンツや少しタイトめなロングスカートに合わせて。

 

 

ヒールの付いたパンプスの中でも、より厚みのあるヒールが付いたチャンキーヒールのパンプス。DIVINA(ディヴィナ)のチャンキーヒールは、ヒールの高さが約5cmありますが足を通せば非常に安定感のあります。

 

 

 

何より立っていても疲れにくく、歩行もしやすいのがチャンキーヒールの良さ。プレーンパンプスに比べるとより丸みを帯びたラウンドトウで、ウッドヒールになっていることで、見た目の軽やかさが増し、普段のカジュアルな装いにも合わせやすい気軽さがあります。

■こんな装いに:いつものデニムやコットンスカート等にも合わせやすく、気軽に履ける万能選手。春先や秋口など、一年を通して活躍してくれます。

 

ドレスシューズの扱い方

 

着用には靴べらを

総じて素材が革でシルエットを保つよう作られているドレスシューズは、スニーカーなどのスポーツシューズに比べると硬さがあり、シルエットが重要なことから、着用する際には必ず靴べらを使うことをおすすめします。靴べらを使うほうが履きやすく、使い始めのシューズの形を長く保つことができます。

 

 

柔らかい布で乾拭きを基本のお手入れに

着用後は汚れやホコリを落とすために、柔らかい布で乾拭きを基本のお手入れにすると、見た目の美しさを保つことができます。特にパテントレザーを使ったエナメルタイプは艶が重要。いざ履くときに汚れが気にならないよう、着用したら拭うことを習慣にすると安心です。

 

毎日履かずに日を選ぶ

いつものコーディネートに合わせられるドレスシューズではありますが、特別な日にも履きたいのがドレスシューズ。革は履くほど足に馴染んでいきますが、内側の湿気を取り除くためにも数日置きながら履くことをおすすめします。

 

 

 

 

 

投稿者: 植田 日時: 2018年02月17日 11:00 | permalink

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