5年、10年と使い続けていく。イル・ブセットの革製名刺入れ

 

革製品は丈夫で使うほど味わいを増していく、という特徴がありますが、革製品が持つ「味わい」は、時間とともに変化していく様子を間近で見ている持ち主がもっとも感じられる部分でもあります。

イタリアのレザーブランド、Il Bussetto(イル・ブセット)は、上質な牛革を使い、革小物を製造しています。手に取りやすく機能的でありながら、デザインはとてもシンプル。逆にいえば、シンプルだからこそ革の変化を実感しやすい作りになっているとも言えます。今回は、Il Bussetto(イル・ブセット)の中でも名刺入れにフォーカスし、時間の経過とともに革製品が作り出す味わいを見ていきます。

 

味わいの根源となる、作りの秘密

 

 

2004年に革小物の生産がさかんなイタリア・トスカーナ州でスタートしたレザーブランド、Il Bussetto(イル・ブセット)。

Il Consorzio Vera Pelle Italiana Conciata al Vegetale(イタリア植物タンニンなめし本革組合)により保証された厳選素材を使い、秘伝の配合で調合された植物由来のタンニンを使って鞣した革を使用しています。製品によってはイタリアに古くから伝わる縫い目のない加工方法を用いて、表面に縫い目が見えないシームレスな作りを持ち、また、ブランド名にもなっている「Bussetto」(ブセット)と呼ばれる特殊な道具を使用することで、姿が映り込むように美しい艶を持った製品を生み出しています。

 

 

Il Bussetto(イル・ブセット)では、財布やコインケース、カードケース、名刺入れ、ペンケース、と数多くのアイテムがあり、いずれの製品も、非常に耐久性があり、中身を多く入れても、繰り返し使っても擦り切れにくいという強さがあります。そして何より、植物タンニンなめしの方法が取られた革は使い手によって様々な変化をしていきます。対極とされるクロムなめしの場合、化学薬品を使ってなめすため、時間が経過しても革自体に変化が見られません。使用環境や使い方の影響を受けながら、色や艶が変化していくのは、まさに植物由来のなめしならでは。使い続けることで、革の経年変化とその頼もしい耐久力を実感することが出来ます。

 

年月が作る味わい

 

では、革が作る味わいについて、Il Bussetto(イル・ブセット)の名刺入れを例に見ていきます。

 

 

 

Il Bussetto(イル・ブセット)の二つ折りタイプの名刺入れは、スムースな表面に内側にポケットが付いた非常にシンプルなデザイン。男女問わず使えるベーシックさが魅力で、悪目立ちせず上質な牛革そのものの特徴が分かる作りになっています。のつやつやとした表面に、しっとりとした手触りは、まさにIl Bussetto(イル・ブセット)の特徴を象徴するかのようです。

 

左:新品 右:5年使用した愛用品

ZUTTOにもこの名刺入れの愛用者がいます。社会人になりたての頃のスタッフが革という素材に憧れ、「自分の定番にしたいから」と選んだ思い出深い品だそう。発色の良い赤に惹かれ、購入後はほぼ毎日、バッグの中に入れて持ち歩いてきたといいます。

 

 

5年の間は特にメンテナンスをせずに使い続けてきたこともあり、見た目は大きく変化しています。

まず大きく変わったのが、表面の色合い。新品の場合、ほとんど傷が見受けられないスムーズな表面に明るいレッドの色がムラなく塗られています。一方で5年愛用品になると、やや渋い色に。そして表面に傷あとが見えますが、これはバッグの中で鍵や手帳に当たった跡と考えられます。また、使い始めてから半年ほど経った頃に思わぬ大雨に遭遇して、名刺入れの一部が水濡れするハプニングが。右端の赤黒く見える部分は、そのときに色落ちしてしまった名残ですが、今となっては全体の色合いの変化とともに目立ちにくくなっていきました。

 

 

色合いの変化が良く分かるのが、内側。塗装されていないナチュラルな状態の内側は、時間による変化がはっきりと分かります。新品の場合は、白っぽい明るさのあるナチュラルなレザーの色。それが徐々に使うことで、指がよく触れる名刺入れの端を中心に、色濃く変化していることが分かります。

 

 

 

そして手に取ってみて強く感じるのが、愛用品の柔らかさ。シワひとつない新品の場合、全体的にハリのある、しっかりとした硬さを感じます。そのハリの強さはフタがひとりでに開いてしまうほど。並べてみても分かる通り、愛用品のほうはぐんと高さが低くなり、くったりとした質感へ変化していることが分かります。

また、愛用品を手に持ってみると、革が手に馴染む感覚があります。本体の中央付近を親指で抑えて持つことが多いからか、抑えている部分にはややへこみが。使用していくうちに、持ち方や開き方といった持ち主の手の癖がそのまま革の形へ影響していることが分かります。

 

 

5年の年月をともにした名刺入れは見た目の変化と同時に、「手に馴染む」という表現がしっくりとくる名刺入れとなりました。持ち主がいつも同じように手を動かすから、名刺を取り出しやすいように革も形を変化させていく。使うことで「使いやすさ」が生まれるのもまた、革が年月とともに作り出す味わいのひとつと言えるのかもしれません。

 

エイジングのポイントは、革の油分


 

これまでメンテナンスをせずに使い続けてきた愛用品ですが、革にとっては油分の補給が重要。名刺入れのように、手によく触れる革小物は手から移る油分によって、完全に乾燥してしまうことはほぼありません。それでも、乾燥が進むと表面の傷が目立ってしまったり、ひどくなると革のひび割れにも繋がる恐れがあります。より長く使うために、そしてより美しいエイジングを求めるのなら、定期的に油分を補給していくことがポイントです。

今回は、TAPIR(タピール)のレーダーフレーゲクリームを使用しました。

TAPIR レーダーフレーゲクリーム:ドイツ製の革製品用、ケアクリーム。蜜ろう、カルナバロウをはじめとした天然の素材のみで作られており、柑橘系の香りがします。少量でよく伸びて艶出しの効果もあります。

 

 

まずは、柔らかい布で全体を拭い、レーダーフレーゲクリームを布もしくは指に少量取ります。そして、円を描くようにくるくると革に馴染ませていきます。ポイントは、一気に多量のクリームを取らずに、少しずつ丁寧に塗り込ませていくこと。全体に丁寧に縫っていったら、半日ほど日陰でよく乾かします。

 

 

左:お手入れ前 右:お手入れ後

お手入れ前後の見た目の違いは明らか。色合いがやや深くなり、何より傷が目立ちにくくなりました。靴のようにしつこい汚れが付きにくい革小物のお手入れの仕方はとてもシンプル。それでも、一手間かけるだけでこれほどの違いが表れます。

 

革小物は油分が命。スタッフが遭遇した大雨のように、万一水濡れしてしまうと革の油分が抜けてしまい、手触りが硬くなってしまったり、着色の色落ち、しみの付着、長時間水気が残った場合はカビの発生にも繋がります。そのため革小物にとっては、水濡れを極力避けることが最善。それでも万一、水濡れしてしまった場合はまずは柔らかい布で水気を吹き、名刺入れを開いてよく乾かす。そして油分を補給するクリームでのお手入れをおすすめします。

 

名刺だけでない、その収納力

 

ご紹介してきた名刺入れはZUTTOでは長年人気を誇ってきた定番品。でも、名刺入れはビジネスパーソンのものとは限りません。本国のイタリアではカードケースとして作られていることもあり、名刺以外にも様々なカードを収納することが出来ます。

 

 

 

例えば、いろんなお店で使うポイントカードやキャッシュカード等もすっぽりと収納。二つ折りタイプならポケットが複数付いているので、カードの種類によって選別しながら収納が可能です。また、一番大きなポケットは収納力が抜群。試しに30枚の名刺を入れてみても、問題なく収納が可能でした。シンプルなデザインなのに、実は使い勝手が良くなるよう、工夫が散りばめられています。

 

 

 

二つ折りの定番タイプのほかにも、ZUTTOでは様々なIl Bussetto(イル・ブセット)の名刺入れを別注しています。Il Bussetto(イル・ブセット)ならではの縫い目のない作りが実感できるのがシームレスタイプ。ZUTTOが別注した、フタと本体が分かれる仕様になった名刺入れ シームレスは角が丸みを帯びており、艶やかな革の特徴が表れています。
本体はしっかりとした厚さがあるので、名刺もたっぷり収納が可能。ナチュラルな革製の仕切りも付いているので、自分の名刺と頂いた名刺を分けることも出来ます。明るさが魅力の色に加え、深みのあるグリーンとブルーといったカラーを揃えています。

 

 


少し変わったデザインがお好みであれば、ボタンの付いた縦型タイプを。どこかレトロな雰囲気を漂わせる配色に、スマートフォンを連想させる縦にスリムな形。スナップボタンを外してそのまま引っ張ると革が伸び、すっとスムーズに名刺を取り出すことが出来ます。

 

革が持つ味わいは、もともとは素材自体が持つ耐久力と表情、そして自然由来の製法が影響しているもの。そして持ち主の使い方ひとつで、様々な変化を見せてくれます。その変化は使い続けた人だけに分かる、いわば特権なのかもしれません。気がついたらいつの間にか自分の定番になっていた、そんな心地良さを実感することが出来ます。

 

▽Il Bussetto(イル・ブセット)のブランドページはこちら

 

投稿者: 植田 日時: 2018年03月31日 11:00 | permalink

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