お花屋さんに並んでいる綺麗な花々、もし手にする人が現れなかった場合、その花がその後どうなるか、考えたことはありますか?
今回の特集や受注会のキーワードとなるのが、“ロスフラワー”という言葉。“食品ロス”と同じように、買われずに捨てられてしまうお花やグリーンのことを指します。そんなロスフラワーに新たな命を吹き込み、花を楽しみながら問題解決を目指す活動をピックアップします。
お花屋さんの店頭販売から約30%の花が売れ時を逃して捨てられ、結婚式で使用される生花も1日だけ飾られて処分、花農家では規格外のサイズのお花が出荷されずにいる現状に、私は目を向けたことがありませんでした。
でもよくよく考えてみたら、クリスマスに人気のバラや、母の日に大量に店頭に並ぶカーネーションなど、季節のイベントによって人気のあるお花は需要に対して過剰供給される傾向がきっとあって、もちろんお花は生ものなのである一定の時間が過ぎたらそれは商品としての価値がなくなり、そうしたら当然のように、ゴミ箱行きになるのだろうなと、容易に想像することが出来たのです。
もちろん、お店独自にドライフラワーにしたり、サービスブーケにしてなるべく廃棄にならないようにとお花屋さんも努力されていると思います。捨てたくてしている訳ではない、ということは重々承知しています。でも、廃棄の現実はあって、そのことに胸を痛めているはず。
美しいものが、美しいままの状態で捨てなくてはならない実情は、食品ロスと同じように社会問題になってもいいはずです。こうした捨てられる花々への問題提起、解決策として、廃棄される花やグリーンを“ロスフラワー”として定義し、ドライフラワーにして、リースやスワッグなどのオブジェや、アクセサリーに蘇らせたり、店舗などの空間デザインに活用する活動を行っているのが、フラワーサイクリスト・河島春佳さんが代表を努める株式会社RIN(リン)。河島さんご自身、クリスマスが過ぎた途端に店頭から排除されるバラの行く末をみて心を痛め、捨てられてしまう花々を少しでも救うことが出来ないかと行動を始められたそうです。
そんなロスフラワーへの考えと行動に賛同したZUTTOが、ロスフラワーを使ったリースの製作をお願いしました。今年は特に、自宅にいる時間が長いのでこれからのシーズン、おうちの中をデコレーションしたいなと思っていらっしゃる方も多いと思います。出来上がったリースは、クリスマスシーズンだけでなくその後も飾り続けられるデザインになっているので、自分でアレンジを加えながら長くそばに置いてくださいね。
今回、一緒にリース製作をしてくださったのは、フラワーサイクリストの足立知美さん(Atelier amour)。ロスフラワー提唱者の河島春佳さんの元でロスフラワーの活動について学び、ロスフラワーの現状と活用について広め活動するフラワーアンバサダーです。
受発注アイテムとして、ラウンド型リース2点・クレセント型リース1点の合計3デザインを作っていただきました。お願いしたのは、「リース=クリスマス」のイメージにならないよう、クリスマスが過ぎても暮らしの中で違和感なく飾り続けられるようなデザインになるように、ということ。
ロスフラワーを使っていると言っても、全ての花材がロスフラワーではありません。何がロスフラワーとして活用出来るのか、予測がしにくい部分ではあるので、全てをロスフラワーで作ろうとすると大きく制限されてしまいますし、そもそもデザインとしてあまり美しいものにはならないかもしれない。
大切にしたいのは、やはり「飾りたい」という気持ち。そこから、お花をより身近に感じてもらえたり、おうちの中にお花があるって良いな、と思ってもらうこと。そこから、ロスフラワーを知ってもらいたい、という想いがあります。
それでは、1デザインずつご紹介していきますね。
ブルーアイスをベースに、ユーカリなどのグリーンのロスフラワーを多く使って仕上げています。
リースの枝の上に、わしゃわしゃと敷いてあるのがブルーアイスと呼ばれるグリーンで、爽やかな香りが特徴です。(ドライなので香りは徐々になくなっていきます)
全体的に色調を合わせているので、飾っても浮くことなく、インテリアに馴染んでくれると思います。
バラと、パンパスグラスというふわふわとしたお花をメインでデザインしたリースです。白いバラはドライにするとクリーム色に変化するため、時間が経つにつれアンティーク調で楽しめます。アクセントで入っている紫色のスターチスも素敵です。
お花を左側に寄せ、あえてベースの枝を見せた三日月型。ラウンド型に比べ、リース感が薄れるのでクリスマスが過ぎても違和感なく飾っておけますね。ロスフラワーはベースになっているブルーアイスやユーカリ、グリーン系の花材です。そこに、リューカデンドロンやフィリカなどのワイルドフラワーを合わせています。
ロスフラワーについて、そしてそれを活かした活動についてもっと知りたくて、リースをデザイン・製作してくださった足立さんにインタビュー。代官山にある河島さんのアトリエをお借りして、足立さんのリース製作風景を拝見しながら、ロスフラワーを減らす活動をすることへの想いを伺いました。
足立さんは、とても柔らかな空気をまとった方で、話す一言一言にお花に対する愛情が溢れていました。もともとは、花好きが高じてドライフラワーを作るワークショップに通ってハーバリウムなどを製作されていたのですが、ロスフラワーを減らすための活動を知り、思い切って飛び込んだのだそう。ご自身のアトリエも構え、ロスフラワーをスワッグやリースなどに生まれ変わらせ、お花を暮らしに取り入れてもらうべく活動されています。
「ロスフラワーの活動に賛同してくださる花農家さんのところに直接行くことが多いですね。ロスフラワーというと、売れ残りのようなイメージがありますが、そもそもお花やグリーンにも野菜と同じように大きさや長さの「規格」があって、規格外の花々がロスになることが多いのです。でも、私たちがその花をドライフラワーにしてリースやスワッグなどに作り変える時には短い方がやりやすいので、その需要とも合致してくるのです。私は、花農家さんのところに行き、一緒に花を収穫する、ということもしています。」
「今年は、新型コロナウイルスの影響で結婚式やイベントが中止になることが相次いでいて、そのための装花として栽培していたお花が出荷先を無くし、ロスになっていることが多いのですが、そうしたお花も、買い取っています。
また、私がロスフラワーについて学んだ河島春佳さんが店舗などの装飾に使ったロスフラワーを譲り受けて、それをスワッグにしたり別のオブジェに作り変えたりなどもしています。上手にドライフラワーにすると、極端に色あせない限りその花材はずっと使えるので、色々なものに循環されていくのも面白いなと感じています。」
「私が一緒に取り組んでいる農家さんはとても喜んでくださっています。日本の花農家さんは自分が栽培している草花にこだわりと自信を持っているので、規格外であっても、美しく咲く花を捨ててしまうのは悲しいですよね。小さくても花は花で、暮らしに取り入れれば気持ちが和らいだり、前向きにさせてくれるものであることに変わりないのに。
これまでは捨てられていたお花を、適正な価格で買い取らせていただくので、お互いに良い関係です。引き取ったお花たちがどう生まれ変わったのか気にかけて応援してくださっています。ただ、まだまだ活動としては小さく知られていないので、これからの活動によってより賛同してくださる方を増やしていきたいです。」
「やはり、どのお花やグリーンがどのくらいロスになるか分からないので、どういうものを作るか、予め予定を立てて製作活動をするのが難しいです。ロスでない花であれば、自分が使いたい花を仕入れれば済むのですが、ロスフラワーをメインで使おうとすると、必ずしも自分が作りたいものと一致するとは限らないのです。ただ、そこがロスフラワーを活用することの難しいところであり、楽しいところでもあります。」
「共通しているのは、それぞれにメインとなるロスフラワーを決めて、それが引き立つように他のお花やグリーンを決め、配置しています。今回のリースに限らずですが、私はアレンジをするときはいつも「草原や原っぱの風景を切り取ったように、根っこが生えているように」を心がけています。そんな風景がおうちにあったら素敵ですから。」
「ドライフラワーは生花と違い、長く楽しめます。もちろん、時間が経つにつれ色は変わっていきますが、一つの花材が色あせてしまってもそれだけを取って他のお花に付け替えることも出来ます。自分で好きなお花をドライにして、木工用ボンドで付ければいいので、そうして自由にアレンジして長く楽しめるのがドライフラワーの良いところです。」
「日本ではまだまだ、自宅にお花を飾るのは身近なことではないと思っています。でも、自粛期間中に家にこもる中で、多くの人がお花屋さんやホームセンターでお花を買ったり、ガーデニングを楽しむようになったと聞いています。
暮らしにお花やグリーンがあることで気持ちが変わる、視点が変わる、眺めているとふっと楽になる瞬間が本当にあるのだと実感してくれるきっかけに、このロスフラワーのリースがなってくれたらと思います。色々とお話してきましたが、まずはこのリースを素直にお花として綺麗だな、おうちに飾りたいなと思っていただけたら。そして結果、それがロスフラワーを知っていただくことに繋がれば、こんなに嬉しいことはありません。」
▼事前に必ず以下をご確認ください。
・ドライフラワーのリースはとても繊細で、衝撃に弱いため、配送中に細かな花材が落ちてしまうことも想定されます。梱包には細心の注意を払いますが、ロスフラワーのリースの特性をご理解の上、ご注文くださいませ。
・受注会終了後のキャンセルや、商品のご返品・交換などは承っておりません。
・お支払い方法は、【クレジットカード・アマゾンペイ・キャリア決済】のいずれかをお選びください。誠に恐れ入りますが、代金引換は不可とさせて頂きます。代金引換でご注文を頂いた場合は、個別にご連絡の上、支払い方法の変更またはキャンセルをご案内させて頂きます。
・クレジットカードをお選びの場合、商品が発送されるまでの間は、基本的に決済はされず「仮決済」の状態となり、商品発送後に「本決済」となります。
ただし、アマゾンペイ・キャリア決済を選ばれた際は、決済の都合上、発送前に決済確定を行う場合がございます。何卒ご了承くださいませ。
・受注会のお品物は、他のアイテムとおまとめが出来ません。お手数ですが、別々にご注文頂きますようお願い致します。
・11月末から12月初旬に、順次発送を予定しております。日程が前後した場合も配達日の指定がお受けできませんこと、ご了承くださいませ。長期ご不在になる場合は、ご注文後、個別にカスタマーサポートまでご連絡くださいませ。