縁起柄を用いた小さな巾着「守袋」は、御守や護符を入れるために懐中に忍ばせていたという小袋です。現代では、小型のカメラ、印鑑、小銭、お数珠入れ、大切なものや失くしやすいものを入れておくのに便利です。お菓子や常備薬入れにもちょうどいい大きさ。希少なトヨタ織機でゆっくりと織られた会津木綿の伝統的な織布に、型染めで一点ずつ模様を染め抜いて作られています。
守袋の文様はさまざまで、どれも江戸の粋人が好んだ、語呂掛けの縁起柄。例えば、体調を崩した友人に、早く良くなって欲しいという祈りを込めたり、健康祈願、祈願成就など、相手を想うメッセージをに込めた柄選びをすることができます。文様一つ一つの由来を知り、相手の好みを考えながら選ぶ楽しみもありますね。
伝統的な文様を知る
・招き猫:上げた手によって意味が変わり、左手は人を招き、右手は金運を招くと言われています。福の字が書かれた前掛けをしている左手をあげた愛らしい招き猫は、開運招福、商売繁盛、心願成就を象徴する文様とされています。
・富士山:古くより霊山として信仰を集めてきた富士山。「富士」の読みに「不死」「不二(ふたつとない)」といった意味が重ねられ、開運招福、心願成就、長寿延命を象徴する文様とされています。
・七宝:伝統的な連続文様の一つ。もともとは「平和」「円満」を意味する輪を四方八方へと重ねた様子が「四方」と呼ばれていましたが、次第に仏教で七種の宝物を意味する「七宝」に変化したと言われています。無限に続く吉祥、子孫繁栄を意味し、厄除祈願、開運招福の象徴。
・瓢箪:蔓が広く生い茂り、果実が鈴なりに実る瓢箪は「繁栄」を表す縁起柄。 また瓢箪が六つで「六瓢=むびょう」が「無病」に通じる事から、江戸時代より健康長寿を願うたいへんおめでたい柄とされています。
・千鳥:古くから人々に親しまれてきた千鳥。描かれ方も豊富にあり、人々の愛着が感じられる動物文様の一つ。「千鳥=千取り(多くのものを手に入れる)」の語呂合わせから、目標達成、勝運祈願を象徴する文様とされています。
・未:古来より家畜として人間の暮らしと密接に関わる動物で、古代中国では五穀豊穣を司る神として信仰の対象ともされてきた。常に群れで行動し、温和な様から家族の安泰を意味し、家内安全・開運招福の象徴とされています。
・兎:兎は古来より火災除けの獣神とされ、また多産・安産なことから安産無事の守神としても大切にされてきました。また「ぴょんぴょん跳ねる=飛躍・跳躍」に通じるとして出世開運の象徴ともされます。
・鶴:日本を代表する吉祥柄。「鶴は千年、亀は萬年」の言葉にもあるように、古来より長寿延命を象徴する文様。 遠くまで響く鳴き声は天までも届くとされ、「天上界へと通ずる鳥」とも言われる。長寿延命、開運招福を表します。
・扇に梅:扇ぐことで、涼をとるだけでなく、悪気を祓う力があるとされています。扇面に知恵の象徴・梅花を描き、開運招福、学業成就の象徴です。
・燕:農作物に付く害虫を食べる事から、燕は古来より「邪を祓い富を守る」存在とされてきました。またその優美な姿から、多くの工芸意匠としても用いられ開運招福の縁起鳥でもあります。
・三つ扇:扇は末広がりな事から開運招福の吉祥紋とされています。扇ぐ事により、涼をとるだけでなく悪気・穢れを祓う力があるとされています。出世開運、技芸上達を象徴する文様です。
伝統と新しさを表現する型染め
本品堂(ポンピン堂)は、創業約150年の江戸型染めの老舗染め屋「更銈(サラケイ)」の当代と、デザイナー大野耕作さんが手がける生活雑貨を作る工房として2002年に始まりました。
創業以来、型染めを中心として、日本各地の優れた作り手とともに、様々な製品をデザイン・製作してきました。古くからの素晴らしいデザインや、文化を日常の衣類に取り入れていたのが、なくなりつつありますが、意味のあるものづくりをきちんと手間をかけて作ること、日常の暮らしの中で気軽に使えるカタチにすること。この小さな試みの継続が「伝統」を現在に繋げるということだと本品堂(ポンピン堂)は考えます。きちんと手間をかけた手仕事には、製品の奥に宿る温かさがあります。この「温度」が伝わるモノ作り、それこそ本品堂の目指すところです。そうした思いで、「日本(ニッポン)の逸品(イッピン)」という意味がブランドの名には込められ、素材、製法にもこだわったものづくりを続けています。
サイズ | 縦13.7×横10(cm) |
箱サイズ | 縦17×横11.5×高さ2.2(cm) |
重量 | 約16g |
素材 | 表地:綿、裏地:ポリエステル、紐:レーヨン |
製造国 | 日本 |
箱有無 | 有(桐箱入) |
日本の長い歴史の中で生まれた手仕事に、現代的なデザインを取り入れ、日常の暮らしの中で気軽に使えるカタチにすること。それが本品堂(ポンピン堂)の作り出す製品です。きちんと手間をかけた手仕事には、製品の奥に宿る温かさがあり、この「温度」が伝わるものづくりこそが本品堂(ポンピン堂)の目指すところです。本品堂(ポンピン堂)は1867年(慶応3年)に創業した江戸型染め屋「更銈(サラケイ)」の染め屋がベースにあります。型染めは、技術は勿論のこと、古くから伝わるその文様には、縁起を担ぐ柄や、相手を思う絵柄があります。手間暇かかるものづくりには、作り手、買い手の思いがあり、それは使い手に繋がり、大切に使われ、ものづくりは循環していくと考えます。伝統技術をただ続けるのではなく、現代へに合わせて残す架け橋となるブランドなのです。
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