※本受注会は終了致しました。誠にありがとうございました。
数年前から始まった、旅する器企画。旅をした時に感じる高揚感とともに日本各地の器をお迎えしたい、というスタッフの願いから始まった企画です。そんな企画のひとつとして始まった、福井県鯖江市にある工房、ろくろ舎のセミオーダーの漆椀の受注会。毎年好評をいただき、今年で4年目の開催となりました。毎年ろくろ舎の酒井さんとご相談しながら作る別注のお椀。今年はスタッフの想いを形にした「マルチカップ」が登場です。
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福井県鯖江市にある「ろくろ舎」。この「オンリー椀」とは北海道小樽出身の丸物木地師・酒井義夫さんが始めた企画で、全国各地を巡り、その土地土地に根付いたイベントを催しながら、漆のお椀のセミオーダーを受けるというもの。
オーダー方法は、まずは欲しい器の形を決め、仕上げや漆塗りの色などを1点から選びます。塗りの種類によっては半年以上かけてじっくり制作されます。福井の職人が手間と時間をかけて作り上げた出来立ての漆のお椀を、お客様のためだけに作り上げて、お届けするという流れです。
オーダーする理由は、きっと様々。1年に1回のこの機会に家の食器を見直してみるのもいいですね。
漆の器というと、高額な一生もののイメージ。高額な理由は「漆の原材料が高いから」と思われている方も多いかもしれません。でも実は、理由はそれだけではないのです。
こちらはろくろ舎で作られる漆のお椀の全工程を順にお見せしています。最後まで見ていくと、その漆の器の価値がわかるはず。最終的には「真塗」という、一般的でスタンダードな漆のお椀のおよそ16工程をご紹介しています。
真塗りの器の場合、このような16工程を経て、私たちのもとに器が届けられています。それぞれの工程で、その作業を行う職人がいます。工程と工程の間に日を要することもあるうえに、職人のスケジュールなどをみながら組み込んでいきます。また、木地も漆も自然のもののため、なかなか思うように作業が進まないこともあるとのこと。様子を伺いながら、一つ一つの器が丁寧に作りあげられます。
今年のZUTTOのオンリー椀受注会で選べるのは、5つの形。
毎日の汁椀、ご飯茶碗として使える「キホン・卵椀・マルチカップ」の3種類と、
丼ものやラーメンに使える、大きめサイズの「ドンブリ・ラーメンバチ」の2種類です。
別注マルチカップ(上:拭き漆/黒漆、下:拭き漆/生漆)
今年の別注はお椀という原点に戻り、今の暮らしに欲しいお椀として考えたのがマルチカップです。
ライフスタイルの変化で朝の時間がますます貴重になってきた企画スタッフ。簡単に済ませつつも朝食はしっかり取りたいと考えると、トーストにヨーグルトの日もあれば、簡単にグラノーラだけにしたり、前日の残りの豚汁におにぎりを急いで作ったり、時には変化させて鮭に納豆など、ある程度固定しながらも、和洋問わずあらゆるメニューが登場してます。そんな中で、料理ごとに違う食器を使うのは少し面倒。「あの器はどこだったかしら?」と探す時間すら惜しくなってしまいます。
そこで考えたのが、毎日使えるマルチな器。すぐ手の届く場所にいつも置いておけば、朝の準備もぐっとスムーズになりそうです。朝の味方になってくれる、万能食器ができました。
形は高台がないコップのような形。上に向かって広がっているので、重ねてコンパクトに収納ができます。
8分目まで入れて200mlと見た目以上にたっぷりと入るので、インスタントのスープやお味噌汁も余裕を持って入れられます。また、木の器は熱くなりにくいので持ちやすいのもポイント。しっかりと深さがあるので、たまごかけごはんやグラノーラなどにもお使いいただけます。
そして、木のお皿が持つ "割れない安心感" も見逃せないポイント。陶器のお皿は、洗うときに割れないように無意識に気を使いますが、木のお皿はそこまで気にしなくていいので本当に気持ちが楽です。忙しい朝は特に、こういった木のお皿に自然と手が伸びますね。
別注 卵椀(目はじき)
昨年人気だったのが卵椀が今年も登場です。オンリー椀の受注会を開催した当初から検討していたのがお椀で、ころんとした可愛らしさはそのままに使いやすいサイズまでアップデートして、とっても素敵なお椀に仕上がりました。
卵椀は汁物にも飯椀にも丁度良い「基本」の器をぽってりカーブさせたような形。汎用性が高く、スタンダードに使えるお椀は、食卓で一番重宝する形です。もともと、企画担当がサンプルで一目惚れしたデザインなのですが、片手サイズでちょっと小さめ。お吸い物などにはちょうどいいものの、できればこの可愛らしさはキープしたまま、容量を多くできないか?とろくろ舎の酒井さんに相談し、制作を開始、3年越しに現実になった器なのです。
※こちらはサンプルの塗りのないものです。
別注 卵椀(真塗り 黒)
どう使おう?と楽しみになるような卵椀。まずは味噌汁や肉じゃがなどの煮物を入れてみたり、蜂蜜やグラノーラを入れたヨーグルトや、小腹が空いた時のお茶漬けなど、使い方は多様。和の上品な雰囲気もありつつ、ボウルのようなカジュアルさも兼ね備えているので、おやつ時間にスナック菓子を食べたい時にも小皿として使うこともできますよ。
※企画担当が一目惚れした、別注 卵椀の原型。丸みを帯びた可愛らしいデザインはそのままに微調整を重ね、片手サイズだったものを、両手で包み込めるくらいまで大きくしてもらいました。色は「淡口」です。
キホン(真塗り 赤)
スタンダードなTHE・お椀という形。初めて漆のお椀を選ぶという人には、こちらが一番選ばれています。
汁物にはもちろん、飯椀としても使い勝手が良く、煮物を少々よそうのにもぴったり。男女ともに持ちやすいちょうど良いサイズ感です。
ドンブリ(真塗り 黒)
スタンダードなお椀は既に気に入ったのを持っている、という方には、ドンブリはいかがでしょう。女性が片手で持つには少し大きい、高台の安定感が格好いいお椀です。
ちょっとした丼ものや麺類も入れられるドンブリ。大人になるとこれくらいの丼のサイズがちょうど良かったりしますよね。お椀は陶器に比べると割れにくく、軽いので洗うのも簡単。お腹いっぱい食べたい子ども用の飯椀にもぴったりなので、「良い器で、もりもり食べて大きくなってね」と家族からプレゼントするのも良いですね。大きくなって独り立ちする時にも持っていけます。
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ラーメンバチ(拭き漆 黒漆)
ろくろ舎の工房で見かけた、ラーメンバチ。ありそうでなかった漆器です。
以前、酒井さんがご近所のラーメン店の開店に合わせて作ったというラーメン鉢。しっとりとした漆のラーメン鉢というのは、なかなか見かけないことと、真塗りの漆の凛とした美しさに惚れ込み、今回取り扱いさせていただくことになりました。
木の器のいいところは、手で触っても、口を付けても熱くないところ。汁までしっかりいただきたいラーメンにはぴったりです。さらに持ってみて驚くのはその軽さ。大きい器であればあるほど、陶磁器と木の器の重さの違いがあるものですが、ラーメン鉢の印象を覆す軽やかな器に仕上がっています。
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日本人のDNAに根付いた"お椀"という文化は、やはり飽きがこないと思います。若い頃に飛びついて買った華やかな食器にも思い入れがありますが、お椀の普遍的な美しさは唯一無二。オンリー椀は日本の職人が作り上げ、メンテナンスもできる安心感を含めて、選びたくなる器です。今回選ばれたオンリー椀が、皆さんの食卓のキホンとして長く活躍できたら、嬉しいです。
欲しい器の形が決まったら、次は塗りを選びます。今回選べるのは、2025年1月頃にお届け予定の「拭き漆2種類」と、2025年8月頃にお届け予定の「目はじき・淡口・真塗り2種」。
【拭き漆】
拭き漆(生漆)
拭き漆は、最初にご説明した「木地固め」の段階まで行い、漆を何度も塗って→拭きあげるを繰り返して仕上げたもの。
「生」と「黒」の2種類をご用意していますが、「生」は木地に生漆(きうるし)と呼ばれる透けた漆を刷り込んで仕上げたもので、「黒」は生漆に鉄分を混ぜ、熱を加えて攪拌することにより、黒く化学変化させたもの。木目を生かした自然な風合いが好みの方におすすめです。
拭き漆(黒)
原材料となる木の木目によって表情が変わってくるので、そういった部分もご理解いただける方におすすめの塗りです。器としての強度は目はじき・真塗りに比べると劣りますが、何度も漆を塗り重ねては拭き取って、すり込むように丁寧に作り上げた漆器ですので、美しく、手間隙かけられたことがわかる器。贈り物にもぴったりです。
こちらの仕上がりは2025年1月頃を見込んでおります。(職人が一つ一つ制作している上、素材や天候にも左右される器づくりです。確約ではございませんので、ご了承お願いします。)
【目はじき】
拭き漆の際に、拭き取っていたものを拭き取らずに重ねたものが、この目はじきという塗り方。透明の透き漆というもので何度も塗り重ねていく方法です。拭き取らない分塗膜が厚いので、拭き漆よりも強度があります。木目も見えるので、器の強度と木目の自然な風合いの両方欲しいという方におすすめです。目はじきの赤茶っぽい色合いも素敵です。
【真塗り・淡口】
真塗り(黒)
真塗り 赤
先ほどご紹介した16工程全てを踏んだのがこの真塗り。「安いものではないけれど、漆器を買うならやはり真塗りの器を試して欲しい」と酒井さんも語ります。布を張り、下地をたっぷり塗った真塗りの漆の器は、武器や鎧に使われていただけあってやはり丈夫です。真塗りは黒と赤をご用意しています。
また、今回も特別に朱色の「淡口(たんぐち)」も取り扱いさせていただけることになりました。
真塗り赤よりも少しだけ淡い、朱色のような淡口。神社の鳥居のような高貴な色ではありますが、優しい色合いで、洋食器との相性も良いお色です。
※右のデザインは取り扱いのない形です。
こちらの仕上がりは2025年6〜8月頃を見込んでおります。(職人が一つ一つ制作している上、素材や天候にも左右される器づくりです。確約ではございませんので、ご了承お願いします。)
※予想以上のオーダーをいただいた場合、早期に終了する可能性がございます。
◇オンリー椀についてのご注意
・自然の木を使って、手作業で作り上げたものです。お椀の木目のデザインや形のイメージ違いついての理由でご返品やキャンセルなどは承っておりません。
・お椀は器の種類によってお届け目安が異なります。また、あくまでも目安ですので、お届けが遅くなる可能性があることも十分ご承知おきいただけますと幸いです。1ヶ月以上遅れる場合には、お客様のご登録のメールアドレスにご連絡差し上げますのでお待ちいただけますと、幸いです。
・拭き漆と真塗りなど、異なる納期の商品をご一緒に注文された場合、「遅い納期に合わせて発送」となります。拭き漆を先にお受け取りになる場合は、別々にご注文いただけますと幸いです。
◇受注会についてのご注意
・商品のキャンセルやご返品、交換は一切承っておりません。予めご了承くださいませ。
・漆の乾燥は天候に大きく左右されます。お届け目安には余裕を持ってご案内をしておりますが、納品が遅れる可能性がございますこと、御留意くださいませ。
・オーダーメイドの受注会ですので、ご注文は【クレジットカード・アマゾンペイ・キャリア決済】をご利用くださいませ。今回の受注会は終了直後に「決済確定」をいたします。発送日の決済ではございませんことを予めご了承くださいませ。
・今回の受注会のお品物は、他のアイテムとおまとめが出来ません。お手数ですが、別でご注文いただきますようお願い致します。
・配達日の指定が出来ませんことをご了承ください。
・お届けまでに住所が変わった方は、カスタマーサポートまでご連絡くださいませ。
◇ろくろ舎のブランドページはこちらから
丸物木地師である酒井義夫さんが福井県鯖江市で立ち上げた木製品の工房、ろくろ舎(ロクロシャ)。北海道生まれの酒井さんは、木製品メーカーへの入社を機に福井県鯖江市へ移住します。そこで木地師であり伝統工芸師でもある山口怜示さんに師事、木地師としての技術を習得しました。退社後には、越前漆器の伝統工芸師である清水正義さんの元で技術を磨き、2014年に木地製作の工房ろくろ舎(ロクロシャ)を立ち上げました。伝統的な丸物木地師としての技術を継承しながら、木材を中心に素材・製法にこだわることなくプロダクトを製作する、「価値の再定義」をコンセプトにしています。