
数年前から始まった、旅する器企画。旅をした時に感じる高揚感とともに日本各地の器をお迎えしたい、というスタッフの願いから始まった企画です。そんな企画のひとつとして始まった、福井県鯖江市にある工房、ろくろ舎のセミオーダーの漆椀の受注会。毎年好評をいただき、今年で6年目の開催となりました。毎年ろくろ舎の酒井さんとご相談しながら作る別注のお椀。今年はモダンに使える、念願の「ZUTTO別注 白漆重ね(黒地)」が登場です。

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福井県鯖江市にある「ろくろ舎」。この「オンリー椀」とは北海道小樽出身の丸物木地師・酒井義夫さんが始めた企画で、全国各地を巡り、その土地土地に根付いたイベントを催しながら、漆のお椀のセミオーダーを受けるというもの。
オーダー方法は、まずは欲しい器の形を決め、仕上げや漆塗りの色などを1点から選びます。塗りの種類によっては半年以上かけてじっくり制作されます。福井の職人が手間と時間をかけて作り上げた出来立ての漆のお椀を、お客様のためだけに作り上げて、お届けするという流れです。
オーダーする理由は、きっと様々。1年に1回のこの機会に家の食器を見直してみるのもいいですね。
漆の器というと、高額な一生もののイメージ。高額な理由は「漆の原材料が高いから」と思われている方も多いかもしれません。でも実は、理由はそれだけではないのです。
こちらはろくろ舎で作られる漆のお椀の全工程を順にお見せしています。最後まで見ていくと、その漆の器の価値がわかるはず。最終的には「真塗」という、一般的でスタンダードな漆のお椀のおよそ16工程をご紹介しています。




真塗りの器の場合、このような16工程を経て、私たちのもとに器が届けられています。それぞれの工程で、その作業を行う職人がいます。工程と工程の間に日を要することもあるうえに、職人のスケジュールなどをみながら組み込んでいきます。また、木地も漆も自然のもののため、なかなか思うように作業が進まないこともあるとのこと。様子を伺いながら、一つ一つの器が丁寧に作りあげられます。
今年のZUTTOのオンリー椀受注会で選べるのは、5つの形。毎日の汁椀、ご飯茶碗として使える「キホン・ハゾリ・ヒョウタン」の3種類と、
丼ものやラーメンに使える、大きめサイズの「ドンブリ」の1種類です。
キホン(真塗り 赤)
スタンダードなTHE・お椀という形。初めて漆のお椀を選ぶという人には、こちらが一番選ばれています。
汁物にはもちろん、飯椀としても使い勝手が良く、煮物を少々よそうのにもぴったり。男女ともに持ちやすいちょうど良いサイズ感です。
ドンブリ(真塗り 黒)
スタンダードなお椀は既に気に入ったのを持っている、という方には、ドンブリはいかがでしょう。女性が片手で持つには少し大きい、高台の安定感が格好いいお椀です。
ちょっとした丼ものや麺類も入れられるドンブリ。大人になるとこれくらいの丼のサイズがちょうど良かったりしますよね。お椀は陶器に比べると割れにくく、軽いので洗うのも簡単。お腹いっぱい食べたい子ども用の飯椀にもぴったりなので、「良い器で、もりもり食べて大きくなってね」と家族からプレゼントするのも良いですね。大きくなって独り立ちする時にも持っていけます。
▼スタッフも愛用中!愛用コラムはこちら
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日本人のDNAに根付いた"お椀"という文化は、やはり飽きがこないと思います。若い頃に飛びついて買った華やかな食器にも思い入れがありますが、お椀の普遍的な美しさは唯一無二。オンリー椀は日本の職人が作り上げ、メンテナンスもできる安心感を含めて、選びたくなる器です。今回選ばれたオンリー椀が、皆さんの食卓のキホンとして長く活躍できたら、嬉しいです。
欲しい器の形が決まったら、次は塗りを選びます。今回選べるのは、2026年9月頃にお届け予定の「拭き漆2種類&ZUTTO別注塗り」と、2027年2月頃にお届け予定の「淡口・真塗り2種」。
NEW! 【ZUTTO別注 白漆重ね(黒地)】

こちらのZUTTO別注塗りは、企画担当者が長らく熱望していて、数年越しに念願叶ってお披露目できたもの。漆の器は和食に合わせるもの、というイメージでしたが、実際にオンリー椀を日々使う中で、和食以外の料理にも自然と出番が増えるように。目指したのは伝統的な漆の趣を大切にしながらも、少しだけ軽やかに変化させた、「陶器のように、どんな料理にでも馴染むモダンな食器」。いくつもの試作品の中で、最も食卓に合わせやすい!この形をすでに持っていても、もうひとつ欲しい!と思える塗りを選定。こうして、ようやく納得のいく別注塗りが完成しました。

木地を黒で塗り、その上から白漆で仕上げた今回の別注塗り。
ろくろ舎の酒井さんによると、白漆は他のクリアな塗装に比べて、ひときわ手間と労力を要するのだそうです。というのも、白漆は顔料(チタンなど)を多く含むため粘度が高く、伸びが悪い。その分、塗り広げるにはしっかりと力が必要になります。さらに白は、わずかな筆跡や塗りの厚みの差がそのまま表情として現れる色。均一に、美しく仕上げるには時間をかけた繊細な作業が欠かせません。丁寧に、丁寧に、人の手を重ねて生まれたこの色味。定番としてご紹介しているカラーと並べると、その違いは一目瞭然です。

試作時の色の違い(左下:拭き漆黒、右上:ZUTTO別注 白漆重ね(黒地))
試作の中でも、お届けした際の印象に大きな差が出にくいものを選びましたが、制作時の環境や工程のわずかな違いによって、色の出方には個体差が生じる場合がございます。あらかじめその点をご理解いただけましたら幸いです。陶器をお使いの方でしたらご存じかと思いますが、陶器もまた、素材や釉薬、焼成条件によって色の濃淡や表情に違いが現れるもの。ひとつひとつに宿るわずかな違いも含めて、器の魅力として楽しんでいただける方にお選びいただけたら嬉しく思います。
【拭き漆】
拭き漆(生漆)
拭き漆は、最初にご説明した「木地固め」の段階まで行い、漆を何度も塗って→拭きあげるを繰り返して仕上げたもの。
「生」と「黒」の2種類をご用意していますが、「生」は木地に生漆(きうるし)と呼ばれる透けた漆を刷り込んで仕上げたもので、「黒」は生漆に鉄分を混ぜ、熱を加えて攪拌することにより、黒く化学変化させたもの。木目を生かした自然な風合いが好みの方におすすめです。
拭き漆(黒)
原材料となる木の木目によって表情が変わってくるので、そういった部分もご理解いただける方におすすめの塗りです。器としての強度は目はじき・真塗りに比べると劣りますが、何度も漆を塗り重ねては拭き取って、すり込むように丁寧に作り上げた漆器ですので、美しく、手間隙かけられたことがわかる器。贈り物にもぴったりです。
こちらの仕上がりは2026年8月頃を見込んでおります。(職人が一つ一つ制作している上、素材や天候にも左右される器づくりです。確約ではございませんので、ご了承お願いします。)
【真塗り・淡口】
真塗り(黒)
真塗り 赤
先ほどご紹介した16工程全てを踏んだのがこの真塗り。「安いものではないけれど、漆器を買うならやはり真塗りの器を試して欲しい」と酒井さんも語ります。布を張り、下地をたっぷり塗った真塗りの漆の器は、武器や鎧に使われていただけあってやはり丈夫です。真塗りは黒と赤をご用意しています。
また、今回も特別に朱色の「淡口(たんぐち)」も取り扱いさせていただけることになりました。
真塗り赤よりも少しだけ淡い、朱色のような淡口。神社の鳥居のような高貴な色ではありますが、優しい色合いで、洋食器との相性も良いお色です。
※右のデザインは取り扱いのない形です。
こちらの仕上がりは2027年2月頃を見込んでおります。(職人が一つ一つ制作している上、素材や天候にも左右される器づくりです。確約ではございませんので、ご了承お願いします。)
◇オンリー椀についてのご注意
・自然の木を使って、手作業で作り上げたものです。お椀の木目のデザインや形のイメージ違いついての理由でご返品やキャンセルなどは承っておりません。
・お椀は器の種類によってお届け目安が異なります。また、あくまでも目安ですので、お届けが遅くなる可能性があることも十分ご承知おきいただけますと幸いです。1ヶ月以上遅れる場合には、お客様のご登録のメールアドレスにご連絡差し上げますのでお待ちいただけますと、幸いです。
・拭き漆と真塗りなど、異なる納期の商品をご一緒に注文された場合、「遅い納期に合わせて発送」となります。8月お届け分を先にお受け取りになる場合は、別々にご注文いただけますと幸いです。
◇受注会についてのご注意
・特にZUTTO別注 白漆重ね(黒地)の色の濃淡の出具合は制作時の条件に左右されるため、個体差がございます。工業製品のように完全均一を求める方にはおすすめ出来かねますので、陶器のような個体ごとの濃淡のグラデーションも楽しんでいただける方におすすめです。
・商品のキャンセルやご返品、交換は一切承っておりません。予めご了承くださいませ。
・漆の乾燥は天候に大きく左右されます。お届け目安には余裕を持ってご案内をしておりますが、納品が遅れる可能性がございますこと、御留意くださいませ。
・オーダーメイドの受注会ですので、ご注文は【クレジットカード・アマゾンペイ・キャリア決済】をご利用くださいませ。今回の受注会は終了直後に「決済確定」をいたします。発送日の決済ではございませんことを予めご了承くださいませ。
・今回の受注会のお品物は、他のアイテムとおまとめが出来ません。お手数ですが、別でご注文いただきますようお願い致します。
・配達日の指定が出来ませんことをご了承ください。
・お届けまでに住所が変わった方は、カスタマーサポートまでご連絡くださいませ。
◇ろくろ舎のブランドページはこちらから
丸物木地師である酒井義夫さんが福井県鯖江市で立ち上げた木製品の工房、ろくろ舎(ロクロシャ)。北海道生まれの酒井さんは、木製品メーカーへの入社を機に福井県鯖江市へ移住します。そこで木地師であり伝統工芸師でもある山口怜示さんに師事、木地師としての技術を習得しました。退社後には、越前漆器の伝統工芸師である清水正義さんの元で技術を磨き、2014年に木地製作の工房ろくろ舎(ロクロシャ)を立ち上げました。伝統的な丸物木地師としての技術を継承しながら、木材を中心に素材・製法にこだわることなくプロダクトを製作する、「価値の再定義」をコンセプトにしています。
