メルマガ会員は送料無料(一部地域除く)・最短で翌営業日に発送します
ZUTTOの新生活特集 >>

 

繊細で美しい漆と硝子

 

その添えられた左手から、精神を集中させて一筆一筆、線をひいていることが伝わる写真。こちらは、硝子に漆で模様を描いている様子で、1度で成功させる技能が求められた熟練技なのだそうです。

 

漆に硝子の丸嘉小坂漆器店

私たちがよく知る漆というと、お椀のような木工製品のものが多いと思いますが、その漆を硝子に施した、従来の漆の世界ではあり得ない挑戦をした丸嘉小坂漆器店。漆を硝子に塗ると、時間とともに剥離してしまっていたため、相性が悪い材質だそうで、硝子表面に加工する下処理を行い、漆が剥がれないように一年かけて開発。焼き付けをすることで、さらに強く漆が硝子と結びつくことができ生まれた漆と硝子のコンビネーション。丸嘉小坂漆器店のhyakushiki(百色)の独自技法です。

 

これまでの漆の常識を覆した漆製品をつくる丸嘉小坂漆器店は、長野県塩尻市で漆製品を作る老舗です。400年の歴史と伝統ある漆を現代につかいやすく硝子に漆を施した器製品を2013年からつくり始めています。これまでの漆の食器というと、金属カトラリーを使うことで傷をつけてしまうものでしたが、ガラスの透ける特性を活かし、硝子の外側に漆を施し、金属カトラリーも使える漆の器を作りました。それは、漆に関心が高い海外からも評価が高く、贈り物やおもてなしにも選ばれています。

 

 

 

硝子×漆のアクセサリー誕生

そして、より身近な存在として取り入れていただきたいという思いから始まる hyakushiki(百色)が新たに手がけた漆の新世界は、ガラス製品の老舗、HARIO(ハリオ)のアクセサリーブランド、 HARIO Lampwork Factory(ハリオ・ランプワーク・ファクトリー)とのコラボレーションで完成した5つの形のJeweki 透漆 ピアスです。

 

 

「樹液」を表現したモチーフ

 

 

水滴のような儚く透明感のあるデザインに引きつけられたhyakushiki(百色)のピアスは、モチーフの下の飴色が漆です。1本の木から僅か200ccしか採取されない貴重な塗料(樹液)。木の成長過程での、自然からの恵みの素材をモチーフにしたそうです。例えば、tsurana(連)は、漆の滴が連なっている様子を形で、meguri(輪)は、漆の滴が輪になっている様子。tawawa(撓)は総状にたわわに実った漆の実にツユがついている様子が形になっていて、心が清む美しい世界へ連れていってくれるような魅力的なピアスです。

 

△tawawa:水滴をモチーフにした瑞々しさを感じる粒が果実のように連なっています。ゆらゆらと揺れるチェーンは優美な空気感を演出。

 

△meguri:ガラスの粒がドーナツのように連なったデザインが美味しそうにも見えてきます。

 

△tsubusa:2つのシャボン玉がくっついているような、コロンとした見た目が可愛らしいデザイン。

 

△tsurada:小中大の粒が3つに連なった、愛らしさを感じるぽってりとしたフォルムが特徴。

 

△arawa:まるで漆の石がはめ込まれたリングのようなデザイン。

 

透き漆について

漆で思い浮かべる黒や朱色は顔料が混ざって作られたもので、もともと漆は茶色で透けているものです。ピアスに使われた透き漆は、hyakushiki(百色)の食器と同じ顔料を含まない透き漆です。メープルシロップやウィスキーのような飴色の透き漆は塗り重ねることで濃淡が生まれ、美しいグラデーションを作ります。

 

 

 

見つけたらいいことがあるかもと、吉兆とされる自然現象の彩雲が名付けられたこちらの小さなグラス。螺旋タンブラーは、色漆で螺旋模様を描かれていて、注ぐものによって、グラスに浮かぶ幻想的な景色が変化。晩酌にピッタリです。

 

 

最後に丸嘉小坂漆器店さんのものづくりの様子を垣間見ることができるコンセプト動画をお楽しみください。

ガラスの下処理で1日、1色毎に1〜3日、仕上げ作業に1日となります。 螺旋の場合は、5色使用し、最短でも7日間、特に透き漆は塗膜の厚さを均一にし、埃等のゴミを付けないように慎重に、熟練職人によって作られています。技術習得が必要な伝統工芸の現場では後継者不足に陥っている話を聞きますが、関心を持つ人がもっとたくさん増えて、仕事にしたいと人達が働きやすくなるようにという考えからも、丸嘉小坂漆器店さんでは、女性も活躍できるアクセサリーを手がけたそうです。技術の凄さだけでなく女性ならではのしなやかで柔らかい表現で完成したピアスは、伝統工芸の担い手不足にも貢献し、未来にどんどん広がっていることを願いたいものづくりでした。

 

 

 

 

 

 

hyakushiki(百色)の漆ガラスはこちらから

投稿者: ZUTTO編集部 日時: 2022年08月07日 11:00 | permalink

閉じる