ずっと使いたいモノ、置いてます。

染めの味わいを纏う

着れば足取りまでふわりと軽くなるような、風にそよぐ軽やかなシャツ。前を開けて羽織りとしても着られるスタンドカラーシャツで、深みのあるブルーベースに、ヴィンテージ感のあるエクリュカラーをさりげなく効かせた、目を惹く配色の一枚です。染色職人が一枚ずつ手作業で染め上げた生地は、時間をかけて揉み込むように染められたリネンラミー。まるで長年着込んだような、柔らかで味わい深い風合いが魅力です。

自然な動きを生む、計算されたシルエット

裾に向かってやや広がるサイドフレアのシルエットは、動くたびに空気を含んで軽やか。後ろの裾には紐が通してあり、絞ることで後ろ姿にニュアンスをプラスできます。袖口の裏側には生成色のテープをあしらっており、折り返すことでさりげないアクセントに。一枚で着ても、羽織っても絵になる、着こなしの幅が広がるデザインです。

染めのムラやリネン特有のネップ感も味として楽しめる、長く付き合えるシャツ。ボタンを留めてシンプルに着こなしたり、Tシャツやワンピースの上に羽織ってラフに合わせたりと、季節の変わり目に頼れる存在です。

見出されたコルトレイクリネン

2007年にスタートしたVlas Blomme（ヴラスブラム）。ブランド名は、ベルギー・フランダース地方の言葉であるフラマン語で「リネンの花」を意味しています。数世紀に渡りリネン産業の中心地として栄えてきたベルギー・Kortrijk（コルトレイク）のリネンを使用した、ナチュラルかつモードな服を展開し、良質なリネンを求めた末に出来上がった製品はロンドン、パリ、ニューヨークなど、世界のトップレベルの店でも扱われています。

リネンは水に強く、洗うほど糸がカシミヤよりも細くなることで柔らかくなり、風合いを増していきます。使えば使うほど味わいが深くなり、日常の馴染んでいくもの。そんな暮らしに寄り添うリネンの中でも最上級のものを、と探し当てたのがベルギーのコルトレイクリネンでした。コルトレイクリネンとは、ベルギーのリネン紡績工場JOS VANNESTE社の農場で栽培された、その年で最も良い出来とされるフラックスの糸を総称したもの。ベルギー・フランダース地方では、紀元前より多くのリネンが栽培されており、中でもコルトレイクには「黄金の川」と呼ばれるレイエ河が流れ、リネンの製造工程において重要な役割を果たしてきました。穏やかで雨も適度に降る気候がリネン栽培にとって有益となり、地の利を活かした品種を安定して作り続けています。

長年のノウハウにより品質が保たれてきたコルトレイクリネンは、繊維が細く質が高いことで知られています。天然繊維として素朴な表情をもち、丈夫で光沢を見せるのも特徴。コットンやシルクに比べて吸水、発散性に優れ、さらりとした質感で、肌に優しいのも大きな特性です。アイリッシュリネンの原料でもあるコルトレイクリネンは、ヨーロッパでは世界トップの品質を誇るリネンとして高い評価を得ています。