ずっと使いたいモノ、置いてます。

洗練されたナチュラルかご

大分県は温泉地としてだけではなく、竹の産地としても知られています。そんな大分県産の良質な竹を使い、一つ一つひとつ丁寧に編み上げたのがこちらの白竹四ッ目レザーバスケット。竹の持つ強さとしなやかさに本革の丈夫さを加え、使い勝手の良い美しいかごバッグに仕上げています。ブラックのレザーハンドルにゴールドのカシメを合わせていて、竹のナチュラルなイメージを持ちつつも普段の装いに違和感なく合わせられます。

バスケットの上下で編み方が異なっており、上部は市松模様のように四角い隙間が見られる四つ目編み。そして下の部分は幅の異なる竹ヒゴを隙間なく編んだござ目編みです。ござ目編みはぎゅっと目が詰まっているので、バッグ底面に強度を持たせ型崩れしにくいよう工夫されています。涼しげな見た目が特徴ではありますが、中身が見えることへの不安がある場合は巾着やあずま袋を入れてかご使いを楽しんでください。

浴衣を着る時に持つかごバッグは和の雰囲気が強く、普段の服装に使うには難しいかなと感じることが多いのですが、この白竹四ッ目レザーバスケットは浴衣でも洋服でも合わせられて、かごバッグを複数用意する必要がないのも良いですね。

伝統を受け継ぐ「道具」

白竹四ッ目レザーバスケットは、別府竹細工ならではの伝統的な技法を用いて作られています。素材には、青竹を火あぶりや煮沸で油抜きし、天日で丁寧に乾燥させた白竹（晒竹・さらしだけ）を使用。白く美しい晒竹は、その明るさとやわらかな光沢が特徴です。また、竹は編み込むことで更に耐久性を持つ優れた素材で、使い込むほどに少しずつ飴色に変化もし風合いが増していきます。日々の暮らしの中で育てていく楽しみがあり、丁寧に使えば一生ものとも言われるほど。こちらのバスケットはファッションアイテムではありますが、ひとつの道具のように捉え長く大切に使いたい方にこそ、おすすめしたい素材です。

そんな竹の魅力を最大限に引き出してきたのが別府竹細工。平安時代から続く長い歴史の中で、編み手たちが代々受け継いできた工芸品です。その起源はさらに古く、古墳時代にさかのぼるとも伝えられています。良質な竹が豊富に自生する大分県・別府の地で、訪れた皇族のお供が竹を使って茶碗かごを編んだことが始まりとされ、竹細工はこの地の暮らしに根づいていきました。

江戸時代になると、温泉地として知られるようになった別府には全国から多くの湯治客が訪れるようになります。彼らが滞在中に使っていた飯かごや米あげざるなどの竹製品は、実用的で美しい土産として各地へと持ち帰られ、竹細工の評判が広まったのだそう。こうして発展してきた別府竹細工は、時代の変化に合わせて形や使い方を工夫しながら、竹本来のしなやかさや美しさを大切に受け継いでいます。

暮らしに根付いた道具を知る

同じ用途でも、異なる素材、異なる形や編み目。日本全国、世界各地のかごから、その地域の特徴や根付いた暮らし、人々の性格までもが垣間見れるようなかご製品は高価な伝統工芸とは異なり、身近な歴史と技術も知る機会にもなります。現代のオートメーション化されて作られる完璧なプラスチックやステンレス製品にはないぬくもりと、どれもが一点もののように素材の個性や手仕事の跡が残ります。

素材の採取にも一苦労がかかる天然素材ですので、完成した製品の小さな割れやちぎれ、ねじれなど道具として使用上問題ないものは、手作りのものとして理解いただき手仕事を味わっていただければと思います。