ずっと使いたいモノ、置いてます。

2種の生地が織りなす、立体的なバルーンシルエット

FACTORY（ファクトリー）が手掛けるこのパイピングスカートは、質感の異なる2つの生地を交互に配置した独創的なデザイン。凹凸感のある刺し子生地と柔らかなジンバブエコットンの組み合わせが、歩くたびに揺れる立体的なシルエットを生み出します。製品染めによる色の陰影が生地に深みを与え、シンプルなトップスと合わせるだけで存在感のある装いが完成する一着です。

2つの綿素材が創る豊かなテクスチャー

ペルー産の綿花で織り上げた刺し子生地は、たて糸を浮き上がらせる技法により、手仕事のような模様を持つ二層構造の生地。武道着を思わせる外観とは裏腹に、軽量でしなやかな特性を持ちながら、長く使える耐久性も兼ね備えています。ペルーのピウラ地方特有の気候条件が生んだ、繊細で長い繊維の綿は、適度な厚みと印象的な質感を生み出すのが特徴。新品の時点から硬さを感じさせない柔らかな手触りで、すぐに身体に寄り添う着心地を提供します。一方のジンバブエコットンは、強度がありながら驚くほどの柔らかさを持ち、綿の繊維が持つ自然な表情をありのまま残しているのが魅力。着込むほどに質感が深まり、時間とともに変化する風合いを味わえる素材です。

これら2つの生地を縦方向に交互に接ぎ合わせたパッチワーク的な構成は、それぞれの細長い布片に微妙なカーブを付けることで、全体を組み上げた時に膨らみのあるバルーン形状を作り出します。接合部分には縁取りを施したパイピングを配し、上から下へ流れるラインを際立たせることで、着姿に縦の美しさをもたらしているのが特徴。表に出る縫い代とパイピングのデザインは、手仕事の温もりを感じさせる独自の雰囲気を醸し出します。豊富な生地使いが生む自然な陰影と、裾に向かって窄まっていくラインが、ウエストからヒップにかけてを柔らかく覆い、体のラインを美しく整える効果も。足を動かすたびに布が揺れ動き、装い全体に動きと華やぎを与えてくれます。

ウエストは伸縮性のあるゴムを全周に配し、脱ぎ着がしやすく、内側の紐で微調整も可能。締め付けすぎない程よいフィット感で、長時間穿いても疲れにくい設計です。両サイドには日常使いに便利なポケットを備え、実用面でも配慮されています。適度なボリュームと丸みを帯びたフォルムが際立ち、無地のニットや薄手のカットソーと組み合わせるだけで、奥行きのある着こなしに。ファーのベストやハイネックのトップス、コート類との組み合わせも相性が良く、秋から冬にかけての多様な着こなしに対応します。ジャケットと合わせれば統一感のあるセットアップ風の装いも楽しめる、使い勝手の良さが魅力です。

ZUTTOではカーキ、チャコールグレー、ブラックの3色をご用意しました。いずれも落ち着いた色調が大人の日常着として溶け込む色合い。製品を染め上げる手法により生まれる色の濃淡と独自の質感は、穿き込むごとに馴染んでいき、時を経るほどに深い味わいを帯びていきます。一つ一つ丁寧に仕立てられた日本製の品質と、2種の綿素材が作り出す立体的な造形美が調和した綿刺し子×ジンバブエコットン パイピングスカート。個性がありながら様々な装いに馴染む、長く付き合える一着です。

自らの手で生み出す、唯一無二の空気感

ブランドの前身は、1978年にスタートした1軒のブティック。もとは仕入れた服を販売するお店からスタートしたのですが、1983年には自社で全ての商品を製造する方針に変え、店舗の裏に工場を作り、オリジナルウエアを展開するブランド「FACTORY（ファクトリー）」が立ち上がりました。

ミシンひとつからスタートしたブランドに、一人にまた一人と仲間が増え、お客様の身体に合わせた服づくりを続ける中で1990年には、よりオリジナリティーあるモノづくりをしていきたいと、素材を求め海外へ出向くようになり、染色工房も設立したのだそう。小さいながらこだわりのある服づくりを続け、現在の企画・素材開発・製造・生産を全て自分たちで手掛けるクリエーションの形が生まれました。

そんなFACTORY（ファクトリー）のデザインパターンは、すべて東京のデザインアトリエで生み出されます。コレクションブランドで経験を積みパターンメイキングの実践を重ねたスタッフがすべて立体裁断で形を作り、サンプル縫いを何度も重ねたことで「流行にとらわれなくて、着心地がよい」「シンプルだけれど、ちょっとユニーク」といった、唯一無二の服が仕上がっていくのです。そして、生み出されたパターンをもとに、服を作り出すのが栃木県足利市にある自社工場。裁断や縫製はもちろん、併設した染色工場で製品や原料の「染め」の作業も行うというこだわりぶり。足利という、歴史的にも織物製造に長けた土地の空気感までもが服に現れるような、そんなものづくりのスタイルが貫かれているのです。