
いつからでしょうか、カシミヤに対する憧れが生まれたのは。高級で繊細だからこその大人の嗜み。年齢を重ねて"自分の好きなもの""自分に似合うもの"を選び取るセンスが研ぎ澄まされていくと同時に、"持つべきもの"も見えた時にそろそろ手に取りたいと思えるのがカシミヤなのではないでしょうか。ZUTTOがご紹介するカシミヤは、そんな憧れ素材「カシミヤ」を手に取る最初の一歩として品質とデザインと価格のバランスがとれていることを追求した、現代を生きる大人の女性のためのものです。
今回はモンゴルカシミヤシリーズから入門編となる小物が登場。早速モンゴルカシミヤニットの何がそんなに素晴らしいのか?見ていきましょう。
このモンゴルカシミヤシリーズに使われているのは、冬には–30℃にもなる厳しい環境で育つモンゴル産カシミヤ。厳しい環境でも生き残れるようにカシミヤ山羊の表面は粗野で太い獣毛が覆っていますが、その内側には細く長く柔らかい産毛が生えていて、その産毛こそが暖かいカシミヤの原毛。繊維が細ければ細いほど空気を抱え込み、体温を外に逃さないという断熱材の役割を果たすのですが、このモンゴルカシミヤは、14〜16ミクロンという繊細な細さを持っています。驚くほど滑らかな触り心地で、他のカシミヤに比べて繊維が非常に長いため自然な艶と毛玉になりにくい耐久性を持っています。軽くて、暖かく、比較的丈夫。それがモンゴルカシミヤの良さです。
そして、この素材の背景にはモンゴル遊牧民の暮らしを守りながら続けられるサステナブルな生産のストーリーがあります。モンゴルの広大な土地に暮らす遊牧民の方々は、家族の一員としてカシミヤ山羊や他の家畜とともに移動をしながら生活拠点を変え、春になると自然と毛が抜け落ちる前にカシミヤ山羊の毛を櫛で梳いて内側の柔毛を集め、カシミヤ山羊に負担をかけないようにカシミヤの原毛を提供できるのです。近年、ファストファッションブランドがカシミヤをより安価に採取しようとして、一部の地域でカシミヤ山羊の過放牧と草地の砂漠化が問題になっていますが、今回ZUTTOがカシミヤの素材調達を依頼した遊牧民たちは、このようにカシミヤ山羊を自然放牧する伝統的な暮らしをしており、ストレスなく豊かな自然の中で育っています。
また、ニットの編み立てをお願いしている工場はモンゴル・中国におけるカシミヤ生産の未来を守るSustainable Fibre Alliance(SFA) に加盟しています。ここでは、“美しい素材が美しいまま未来へつながること”を大切に、自然環境の負荷を最小限にすることや、動物に寄り添った飼育、人を大切にする、地域文化の継承を支えることなどの丁寧な取り組みを行なっています。このことが、素材そのものを超えた"背景まで美しいカシミヤ"を生み出しているのです。
原毛提供者、生産工場、そしてZUTTO。そのすべてが妥当な対価で成り立つ関係を築けること。それが、私たちがモンゴル産を選んだ大きな理由です。さらにモンゴルの工場とはほぼ直接のやり取りができ、中間マージンを抑えられることから、ZUTTOが理想とする“適正な価格で、長く愛せるカシミヤ”を提供できるようになりました。どれほど良い素材であっても、“触れてみたいと思えるストーリー”と“納得できる価格”が伴わなければ、本質的な価値にはなりません。私たちがモンゴルカシミヤに辿り着いた背景には、こうした譲れない想いがあったのです。
カシミヤが良いといっても、世の中には様々なカシミヤがあると思います。若い頃は量販店のカシミヤニットしか知りませんでしたが、初めてきちんとしたお店で丁寧に選び取られた素材で作ったカシミヤニットに腕を通した時は、本当に世界が変わるほどうっとりするような着心地だったことを覚えています。
「実際に手に取ってみたい」そんなお客様の声もあり、今回入門編としてご用意したのが手袋とマフラーでした。お洋服に比べて手が出しやすく、実際に触れる面積が多いのでこのカシミヤの良さを感じていただきやすいのではないかと思うのです。モンゴルカシミヤのアイテムについては、ZUTTOのスタッフも取り扱っていく中でこの魅力をひしひしと感じているところ。自分だけでなく、大切な人に着てほしいと思えるニットです。
カシミヤは確かに他のアイテムよりも気をつかうかもしれません。でも、カシミヤを日常に取り入れる贅沢な気持ちは何者にも変えられません。デリケートなアイテムだからこそ、ZUTTOのモンゴルカシミヤニットはもしもの時のお直しを直接相談していただけたらと思います。少しでも愛用する際の安心になればと思っています。
▽モンゴルカシミヤ スマートタッチ手袋
▽モンゴルカシミヤ ライトマフラー
▽モンゴルカシミヤ クルーネックセーター
▽モンゴルカシミヤ ボタンレスカーディガン
