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デニムの産地、岡山県児島から。職人気質のデニムを求めて。

 

定番アイテムの、デニム。

デニムパンツやデニムスカート、デニムシャツなど

誰でも、何かしらのデニムアイテムをお持ちではないでしょうか。

そんな、オールシーズン身近な素材のデニム。

岡山県児島(こじま)という地で、国産デニムが生産され

世界的な知名度を獲得しつつあることをご存知ですか?

デニムというと、海外、特にアメリカのものという認識が強いですが、

優れた技術を持った日本の国産デニムは、非常に高い評価を得ています。

今回は、デニムについて、そして児島のデニムブランドの

こだわりや技術について、深掘りしていきます。 

 

ウィメンズ G1138 ST.SLIM WA デニムパンツ

 

そもそも、デニムとは。

分かっているつもりでも、いざ説明してと言われると

ちょっと戸惑ってしまいますよね。

 

デニムは、コットンから作られた糸をインディゴ染めした、綾(あや)織物のことです。

綾織とは、タテ糸が2本のヨコ糸の上を通過したあとに、

1本のヨコ糸の下を通過する、という流れを繰り返す織り方で、

出来上がった生地は目が斜めに走っているように見えることが特徴です。

 

ウィメンズ G1138 ST.SLIM WA デニムパンツ

 

デニムの場合、タテ糸はインディゴで染色した糸、

ヨコ糸は無染色の糸を使用するために、デニム表面を見ると

ヨコ糸の目である白い点が2本ごとに浮いて見えます。

デニム特有の、藍色と白が混じった色合いというのは、

こうした使用する糸の色と織り方に特徴があるためなのです。

 

デニム生地を使ったジーンズやスカートのことを「デニム」と

呼んだりもしますが、実は「デニム」とは、

こういった特徴を持った生地のことなのですね。 

 

 

 

 

さて、そんなデニム。

岡山県・倉敷市の南、瀬戸内海に面した児島という地があります。

本州と四国を結ぶ瀬戸大橋を望み、ゆったりとした

時間の流れを感じるここは、国産ジーンズ発祥の地であり、

今や世界に誇る「ジャパンデニム」の中心地として知られています。

電車に揺られ児島駅に降り立つと、駅の至るところにデニムの装飾が。

児島という街全体が「デニム」という一つのブランドを持っているような雰囲気です。

児島といえばデニム、デニムといえば児島。

そんな職人たちの熱い想いを感じ取ることが出来ます。

 

岡山県は元々、綿花の栽培が盛んに行われ、

昔から繊維産業の町として名高い地でした。

帆布素材や、学生服の産地としても今でも有名ですね。

 

戦後、米兵が残していったジーンズの中古品に

人気が出ると、岡山県児島でそのジーンズを

日本で作ってみようという試みがなされ、

1965年に国内で初めて、ジーンズが量産されたのです。

これが、日本の国産デニム第一号となります。

 

徐々に児島や井原市にはデニム生地を生産し

加工する工場が集まるようになり、

今では、ジーンズ作りに必要な工程のうち紡績(綿花を糸にする工程)

以外の全ての工程を県内で完結させることが可能となっています。

 

今回ピックアップするFOB FACTORYは、そんな児島メイドのデニムに、

国産デニムとしての更なるこだわりを見出すブランドです。

ジーンズ作りはデニム作りから、という言葉通り、

FOB FACTORYは生地作りも自分たちでデザインしているのです。

 

 

■色落ちのための、中白

 

例えば、中白という、糸の芯まで染まらない昔ながらの染め方。

デニム生地を織るためのタテ糸を先に染色すると先述しましたが、

タテ糸はロープ染色という方法で染められています。

これは、糸の表面のみを藍色に染め、糸の中までは染めない、

というデニム特有のものです。

中が染まっていない、白いままなので「中白」と呼ばれます。

ジーンズを長く穿くほどに、表面のブルーが色落ち、

中の白色が顔を出すという味わい深い色落ちを見せてくれるのは、

この染め方によるものなのですね。

 

■進化したセルビッチデニム

ウィメンズ G1138 ST.SLIM WA デニムパンツ

 

また、FOB FACTORYではセルビッチデニムを採用しています。

セルビッチデニムとは、旧式織機(シャトル織り機)を使って

織られたデニム生地のことで、生地の両端の「耳」が見られることが特徴です。

ゆっくりと時間をかけて織られるために糸に強いテンションがかからず、

ビンテージのような凹凸感が出て、粗野な雰囲気を持ちながら

温かみのあるデニムへと仕上がるのだとか。

そして、こちらはそんな古い織機を使用したセルビッチデニムで

ありながらも、技術の力でポリウレタンを織り込むことに

成功した珍しいセルビッチストレッチデニム。

見た目も履き心地も叶えてくれるのは嬉しいですね。

こうした古い技術を現代に継承する国産デニムブランドは、

大変希少な存在といえます。

 

 

 

セルビッチデニムは、穿いていくとパンツの縦両脇に、

セルビッチのラインが浮き出てくるエイジングをします。

 

 

■糸さえも、エイジングのために

 

縫製にはポリエステルの上にコットンを巻いた、

コアスパンと呼ばれる糸を使用しています。

自然な退色が見られ、生地の経年変化とともにヴィンテージ感のある

表情に変化することを楽しめる糸です。

古い時代にはオールコットン糸が使われていましたが、

コットン糸は生地とともに変化して自然な味わいが深まります。

現代では強度があり、低コストで縫製も楽に出来る

スパン糸(ポリエステル)が多く使われていますが、

合成繊維のため糸だけが変化せず浮いてしまうという欠点があります。 

そこで、こちらで使用しているコアスパンはコットンより強度が出て、

上層にコットンがくることで糸色も自然な発色に変化していくという優れものなのです。

 

 

■裾のアタリを生み出すユニオンスペシャル

 

服作りに必要なミシン類も日々、研究・開発を行っていますが、

特に目指しているのは昔ながらのディテールを再現出来るミシン。

アメリカ製の古いミシン(ユニオンスペシャル)に改良を加え、

ジーンズ裾の縫製を行っています。

アイロンをする工程が省ける金型を通す事でテンションがかかり、

裾の部分に凹凸感が出て、着用していくと裾にアタリが生まれるよう、

計算されたミシン使いです。

 

ウィメンズ G1138 ST.SLIM WA デニムパンツ

 

ユニオンスペシャルを使用した裾の縫い方はチェーンステッチです。

表面は一目一目つながった、シングルステッチですが、

裏目は鎖状に糸が絡み合っているのでチェーンステッチと呼びます。

このミシンの特徴は、穿くうちにチェーンステッチの下に、

ねじれたアタリが生まれること。

つまり、かっこいいエイジングが生まれる縫い方なのです。 

 

G5126 ST.SKIRT WA デニムスカート

 

ここからは、実際に児島で国産デニムを手がけるFOB FACTORYの担当者に

伺ったブランドストーリーをインタビュー形式でご紹介します。

 

 

ーデザイン、品質ともに高い水準を保つFOB FACTORYの国産デニム。

そんなFOB FACTORYが目指す、「良いデニム」とは?

 

私達が良いデニムと考えるのは、アメカジブームの頃

古着のデニムが高騰しビンテージと呼ばれるものに

価値が見いだされた時代に見たデニムです。

単純に古いから、ビンテージだから良いと思ってるのではなく

現在の市場のデニムはフラットでキレイに感じます。

それは百貨店でもデニムが販売される時代になり、

素材のキレイさが必須になりました。

当然ほつれ、糸抜けなどはもってのほかで、

中には色落ちもダメという話も聞くくらいです。

このキレイに仕上げるクオリティとは真逆の、

ローテクで手作業で仕上げた温かみのある

表情を持つデニムが、私達が目指すデニムです。

 

 

ーでは、風合いの良いデニムに育てていくにはどうすれば?

 

何も気負うことはなく、同じ人間が穿き続けることで

その人独自のシワやアタリが生まれます。

足の組み方、座り方、ライフスタイルが色落ちと

なって現れてくる、というのがデニムの面白いところです。

その人なりの良い生活を過ごすことが一番で、

気軽に穿くことが一番だと思います。

 

FOB FACTORY、3年後のエイジングサンプル

 

FOB FACTORYが掲げているポリシーは、

-FIND NEW WISDOMS THROUGH OLD THINGS-

 

「故きを温ね新しきを知る」ということですが、

古いものや技術の中に、新しい手法や知識へのヒントが隠れている。

単に古いものを追うだけでなく、古いものから得られる

利点や考え方というものを、この時代に合った方法で作る。

大量生産・大量消費のこの時代だからこそ、逆説的に提案出来る

ものとは何かを、こだわりを持って追い求めている

姿勢を伺うことが出来ますね。

そして何より、デニムへの愛を感じます。 

 

 

長く使うこと、そして良いエイジングのための

デニムのお手入れについても、伺いました。

 

ーデニムのお洗濯はどうすれば良いですか?

 洗わないほうが良い、とも聞きますが。。

 

同じ位置にシワを付けるエイジングをさせるために、

昔は、デニムは何ヶ月も洗わない方が良いみたいな話もありました。

ですが、デニムは丈夫だということもあり、

さほど気を使わずに穿くことも多く、アウトドアに履いて行ったり

地べたに座ったりして、他の洋服よりも汚れることが多いアイテムです。

 

汚れは生地にとっても、縫い糸にとっても良くありません。

そのため、長く洗わない、ということは避けてください。

強い洗剤ではなく中性洗剤で、裏返しで洗濯機で洗って頂ければ色落ちも多少防げます。

乾燥機は使用せずに、天日干しが一番です。 

 

 

ウィメンズ G1138 ST.SLIM WA デニムパンツ

 

国産デニム、特に児島の地で生み出されるFOB FACTORYを取り上げて

その魅力と技術についてご紹介しました。

穿き続けることでエイジングが進み、味わい深くなる国産デニム。

ぜひその魅力を素肌に感じてみてください。

 

 

▼FOB FACTORYブランドページ

FOB FACTORYブランドページ

 

 

投稿者: 丸山 日時: 2017年02月14日 11:00 | permalink

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