
湯呑みは緑茶を飲むための道具です。一般的に磁器で作られ、持ち手のない背の高い形をしています。この湯呑みの形は、日本で何世紀にもわたって変わることなく受け継がれてきました。
湯呑みは緑茶を飲むためだけでなく、お茶の風味をより一層楽しみ、器そのもののデザインも味わってもらうために作られています。
湯呑みには様々な形や素材のものがあります。それぞれのデザインには作られた理由があり、緑茶をより美味しく味わうための特徴が備わっています。
シンプルな筒型の湯呑みは、玉露と呼ばれる上質な緑茶にぴったりです。玉露は緑茶の中でも最高級とされ、美しい緑色と優れた風味を持っています。緑茶の色を引き立てるよう、白磁の湯呑みを選ぶとよいでしょう。
陶器は熱を長く保つ性質があります。そのため、熱いお湯を使う玄米茶やほうじ茶には陶器の湯呑みが適しています。
陶器の湯呑みは、縁が外側に反り、底部にわずかな高さがあるのが一般的です。こうした形状により、熱いお茶を注いでも持ちやすくなっています。
低めの温度のお湯で淹れる、濃厚で色の濃い上質な煎茶用の湯呑みは、小さくコンパクトに作られています。上質な煎茶は味わいが濃厚なため、器のサイズも小さめになっているのです。煎茶には、その上品な色合いを引き立てる白磁もおすすめです。
汲み出しと呼ばれる、幅広で背の低い湯呑みは、来客をお茶でもてなす際に使われます。緑茶の色を引き立てるよう、シンプルな白磁を選びましょう。
素材や形に加えて、文様も湯呑みを特別なものにしています。手描きの文様には、季節を表すデザインやそれぞれ異なる意味が込められています。
こちらは、京都の老舗磁器ブランド「西川貞三郎」が手がける煎茶用の湯呑です。マリーゴールドやススキなど、日本の秋の草花が手描きで表現されています。使う季節に合わせて湯呑を選ぶのも、楽しみ方のひとつです。
瓢箪の絵柄をあしらった陶器の湯呑です。六つの瓢箪は「六瓢(むびょう)」として、無病息災を願う縁起物として日本で親しまれてきました。贈り物としてもおすすめの湯呑です。
沖縄県の磁器ブランド「Kamany」は、植物の柄をあしらった湯呑を制作しています。こちらの湯呑に描かれているのは、バナナの葉の柄です。柄ひとつひとつに込められた意味を知るのも、楽しみ方のひとつです。
COS KYOTOのティーセットには、ブランドを象徴する水玉模様があしらわれています。この模様は50年以上にわたって受け継がれてきたもので、職人が一つひとつ手作業で彫り出しています。こうした手仕事は今や貴重なものとなりました。彫られた水玉模様は、持ちやすさにも一役買っています。
九谷長右エ門の湯呑に描かれた、ユーモラスな笛吹きの柄は、同ブランドを代表する伝統的な図柄です。細い筆で手描きされるこの柄は、60年以上にわたって受け継がれてきました。繊細で緻密なデザインからは、伝統的な手描き技術の高さがうかがえます。
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