メルマガ会員は送料無料(一部地域除く)・最短で翌営業日に発送します
ZUTTOの新生活特集 >>

Reports 004 静岡の地場産業を変えるプロジェクトの真相

アートを実社会へ。


ZUTTOでご紹介しているランデブープロジェクトの商品は、 多様なアーティストと静岡の地場産業の方たちのコラボレーションから生まれました。 商品が生まれた背景には、静岡のプロジェクトを主催されているスパイラルの考えるアートへの思いがありました。 とてもお忙しいお二人なのに、さわやかな笑顔。 ランデブープロジェクトの真相を静岡のプロジェクトを通して伺ってました。

■お話を聞かせてくれた人
スパイラル チーフプランナー/松田 朋春さん(右)
スパイラル 広報主任/渡邉 モイチさん(左)

◇ランデブープロジェクト

ランデヴー(出会い)プロジェクトは、「アートの実社会への応用」をコンセプトにした スパイラル・ワコールアートセンターの商品開発プロジェクト。 技術者やアーティストなど、今まで互いに出会うことの少なかった人たちの出会いを通して、 企業が持つ専門性とノウハウ、アーティストの創造性を活かしたモノづくりを行っています。 ZUTTOでご紹介している製品たちは、そのプロジェクトの一つでランデブープロジェクトに参 加しているアーティストと静岡市内の地場産業の職人さんたちとのコラボレートで生まれています。

インタビュー

Q1.ランデブープロジェクトがはじまったいきさつを教えてください。

スパイラルビルは、待ち合わせの場所としても使われるほど表参道のランドマーク的存在。
© Spiral / Wacoal Art Center
はい、ランデブープロジェクトは、下着メーカーであるワコールの東京における文化発信拠点のスパイラルからはじまりました。 スパイラルは、運営のテーマを「生活とアートの融合」として、多目的ホールや展示ギャラリー、インテリア雑貨ショップ、レストラン、エステティックサロンなどが同居している複合文化施設です。
これまで、複合空間の特色を生かしたさまざまな文化イベントを開催してきました。 これを、もっと踏み込んだ実践的な活動が出来ないかということから発足したのがランデブープロジェクトです。
個人のニーズに根差し、環境や人にやさしいモノ作りを視点に、当初は、定期的に毎回テーマを立ててディスカッションする活動が主でしたね。

Q2.それが、商品開発につながっていくわけですよね。


ランデブープロジェクトの記念すべき第一回「プロトタイプ展」の様子。ここから、新しい商品が生まれていきました。
© Spiral / Wacoal Art Center
そうですね。アーティストや技術者たちが飛び交わしたさまざまなアイデアを形にし、 先ず、プロトタイプの展覧会を開催しました。個々の商品開発プロジェクトにスピードが乗ったのはそれからですね。
ZUTTOさんでご紹介頂いている静岡の商品開発もそのころからです。 静岡市より依頼を受け、地場産業である木工品や雛人形など、地域のメーカーと力を合わせて、 今も新しい商品開発をすすめています。

Q3.静岡の商品開発はどのようにすすめられているのですか。


もう少しで、商品化のtette。かわいらしい木のカトラリーでテーブルマナーが学べます。
© Spiral / Wacoal Art Center
まずは、アーティストとメーカーのお見合いですね。 出会いを創出し、双方でお話をしていただきます。 大切なのは、アーティストは単なる商品をかっこよく見せる人、メーカーはいわれた通りものをつくる人ということではなく、夢を共有していただきながらすすめていただけることです。 開発の間は、商品としての精度を高めていくために、それぞれの作品を合同の検討会を開き、意見を交わしながら進めています。 静岡のプロジェクトがはじまって3年になりますが、商品をご紹介頂ける場所も増え、成果が実を結びつつあるのを実感しています。

Q4.商品開発の中で苦労された点も多いでしょうね。


ZUTTOでもご紹介している世界一遅い乗り物ルーキー。お話を聞いてわかる商品化までの苦労。
© Spiral / Wacoal Art Center
アーティストとメーカーが、まったく未知のものを作りだすのに多少なりとも意識の差があります。 また、双方がプロですので、そのこだわりが衝突を生むこともあります。 当初は、そういう気持ちを双方がうまくコントロールするという努力も必要だった点はあります。 でも、それが出来たのも、新しい考え方が、発想を広げ新しいものを生みだすという事を共有できていたからでしょうね。

苦労というよりも改善という点では、たとえば、玩具や生活用品など、子どもを対象にした2005年のテーマ”for KID´S”のRookie(ルーキー)。 少し傾いた坂道に置いておくと、自発的に下りてくる子供の玩具がありますよね、それに乗れたら楽しいだろうという発想から生まれました。 これが、簡単に作れるだろうと思っていたら、重心のとり方が難しく、出来上がったのは予定より1年後。 出来上がったうれしさはひとしおですが、開発期間が延びればメーカーやアーティストの負担も少なくありません。 お陰さまで好評を頂いている商品ということもありますが、新しい商品を心待ちにしていただいているお客様のためにも、努力したいと思います。

Q5.これからの夢とみなさんへのメッセージをお願いします。


軽快に分かりやすくランデブープロジェクトについて教えて頂いたお二人。貴重なお時間、有難うございました!
ランデブープロジェクトは、いつも自由で楽しい雰囲気から、新たな発見をしてきました。 いつか、ランデブープロジェクトが、スパイラルから勝手に一人歩きしてくれて、 色んな場所で色んな人たちが、ステキなものを作りだしてくれるのが私たちの夢です。 今回の静岡のプロジェクトでは、オーストラリアのクリエイターと取り組んだ”旅館のスタンダード”がはじまります。 静岡以外にも、新たな地場産業とのコラボレート、その他には新しい街づくりといった企画もスタートします。 みなさんも、自由で楽しい雰囲気で、新しいランデブープロジェクトをはじめてください。

◇取材後記

お話の中、ランデブープロジェクトは、単にモノをかっこよくデザインするプロジェクトではないんです。 という言葉が印象的でした。 色んな人たちの色んな考え方、アートが出会うことで、新しい解決を見出していく。 コミュニケーションこそがアートなんですね。 個人的には、ランデブープロジェクトの一つ、東京ピクニッククラブのお話が面白かったです。 取材させていただいた松田さんが共著されている「ワークショップ」には、 今回の取材内容よりも詳しく書かれてらっしゃいますので、ご参考ください。

今後のランデブープロジェクトに期待しています。

◇東京ピクニッククラブ
http://www.picnicclub.org/

◇ワークショップ/松田朋春 共著
http://www.sendenkaigi.com/hanbai/book/4-88335-160-2.html

◇スパイラル
http://www.spiral.co.jp/

◇ランデブープロジェクト
http://www.hanjyou.jp/rv/


閉じる